バルト3国(リトアニア)2(No.80)民族楽器と悪魔〜カウナス
【カウナス一泊旅行】
1月23日(曇り)
今日はリトアニア第二の都市、カウナスへ一泊旅行する。
YHの人は荷物を預かってくれただけでなく、「カウナスのYHにとまるなら、カードもってないと高いヨ」と心配してくれた。YHカードを持っていない私たちは、民宿に泊まることにした。
今日の部屋はGood! お家の人も優しい。
お腹が空いたのでカフェ「Vasare」に入ってみる。ビールがビリニュスに比べ、2Ltくらい安い!メインディッシュも5Lt前後安い!
マサト:たらのムニエルクリームソース+フライドポテト+サラダ、
ユウコ:チキンココナツあげ+フライドポテト+焼きリンゴなどフルーツサラダ(へんてこりん:甘い)とあげパン(ガーリック味)、チーズ、まめ、たまごのマヨネーズサラダ(ビールにぴったり!)ユウコが注文したセットは食事のような、お菓子のような、へんてこりんな料理(その名もSurprise!)だったが、良いカフェだった。
楽器博物館へ行く。バイオリン、琴みたいな楽器、笛が主に展示されている。アコーディオンのコーナーでは、学芸員の方が音楽をかけてくれて、うれしかった。
この博物館、なぜか1988年に中曽根元首相が訪問したらしく、彼からの手紙と日本伝統の楽器である琴、三味線、尺八なども展示されていた。中曽根氏は「ヤス」のニックネームで紹介されていた。
見学後、ひと休みしようと思っていたカフェが、修理中のため部屋へ戻る。
2時間ほど休み、ワインバーへ。歩き方・Kaunas in your pocket(カウナスにも立派な地元ガイドブック→in your pocketシリーズがある)ともにおすすめのAntisは修理中!
別のワインバー、Vynineへ行く。若者が多く、バーとはいえ、健康的な明るい店。女性客も多い。私はホットワインを飲む。スパイシーでうまい!Villinus in your pocketには作り方が書いてあるので、安いワインで試したいものだ。女性にウケルだろう。
他にリトアニアのワイン3種(いずれも甘口)、シュリンプサラダ(という名のかまぼこサラダ。かまぼこがカリフラワー、白菜などと合えてある)、リブステーキ(ポテト・サラダ添え)を頼む。
料理が出てくるのは少々遅いが、この店もうまい。
「食べ物がおいしいからつい食べ歩きしちゃうよねー」とマサトと話す。夜も長いし、酒飲むしかやることがない。あー、しょうがない、しょうがない。
[Villinus in your pocket より「リトアニアのクリスマスレシピ」から「karstas Vynas」(ホットワイン)の作り方]
<材料>
赤ワイン 2本
水かオレンジジュース 1リットル
オレンジの皮(すりおろし) 茶さじ1
レモンの皮(すりおろし) 茶さじ1
砂糖か蜂蜜 1/2カップ
シナモン 2本(または茶さじ1)
クローブ 24個
ジンジャーパウダー 茶さじ1/2
ナツメグパウダー 茶さじ1
オレンジ(薄切り) 2個分
赤ワインに水、オレンジの皮、レモンの皮、砂糖、シナモン、クローブ、ジンジャーパウダー、ナツメグパウダーを入れて、中火にかけ、混ぜる。
この際、沸騰させてはいけない。砂糖がとけたら、オレンジの薄切りを加えて、火を少し弱め、5分ほど煮詰める。暖めたマグにオレンジを添えてあつあつを注ぐ。
【日本のシンドラーを知る】
1月24日(くもり)
カウナスのプライベートルームの朝食はパンケーキ。リンゴ・干しぶどう入り。ヨーグルトをかけて食べる。はちみつ持ってて良かった。それにコーヒー(インスタントコーヒーをセルフサービス)とネーブル(甘くてうまい!)。
しかし、この家お洒落である。決して広くないが、センスがいい。台所さえかわいい。参考にしたいので写真を撮った。
ゆっくり寝たせいか、足取り軽く、街へ。
カウナス城は廃墟。
旧市庁舎、ペリクナス(雷神ペリクナスをまつった寺院だったといわれる)の家、ヴィタウタス教会など見る。
ネムナス川には白鳥がいる。餌(パン)をやってみる。モーゼンと寄ってくる。人に馴れている。
マサトは看板の写真をとる。看板さえお洒落だ。
悪魔博物館へ。悪魔ときくとおどろおどろしい感じだが、予想に反してかわいい。怖くない。
「日本の鬼みたいだね」と言っていたら、日本からの鬼の寄贈品も展示されていた。
この悪魔のコレクションをしていたのはジムイジナヴィチウスという画家だが、その死後も、年々悪魔コレクションは増え続け、今は画家生存時の7倍にもなっているそうだ。
画家自身の家、作品の展示もあり。この博物館、1時間も見てしまった。大変面白かった。ヒトラーとスターリンを悪魔にたとえたものもあり、ヒトラーの後をスターリンが追いかけている。ヒトラーがリトアニアから出て行ったと思ったら、スターリンがやってきた!といったところか。マサトはその展示の写真を撮る。
博物館の見学を終え、今日は日曜で、教会ではどこでもミサが行われているので、聖ミカエル教会のものを少々見る。ここの聖歌隊はなかなか上手い。
Jazz pizzaで昼食。サラダ、ハムとマッシュルームのピザ、スパイシーピザを食べる。とてもおいしい!
[Jazz pizzaのサラダ]
キャベツ(千切り)、マッシュルーム(薄切り・生)、トマト(サイコロ)、ハム(サイコロ)、パプリカ(赤・黄・サイコロ)、ゆでたまご(櫛形)、プロセスチーズ(サイコロ)、キュウリ(扇)、これを粒マスタード+ビネガー+オイル+塩こしょうのドレッシングで食べる。彩りがきれい!
ヴィタウタス大公像の足下にはロシア・ポーランド・タタールの兵士の像があるというのをガイドで読み、タタール人とはどんな顔立ちをしているのか、それがみたくて、ヴィタウタス大公像を見に行く。タタール人はハンサムだった。
シナゴーグへ。ここのシナゴーグは精神療養所のような水色をしている。
中に入ると、神父さんに英語で話しかけられた。私たちが日本人だと知ると、「日本人は6000人のユダヤ人を助けた」とリトアニア旧副領事である杉原千畝氏の話をしてヨロコブ。日本にいるときは知らなかったが、日本人でもシンドラーのリストのように、ユダヤ人を助けた人がいたのだ。杉原氏の功績のせいか、神父さんは親日家らしく、日本語で「サヨナラ」と言った。彼らは普段ロシア語をしゃべるらしい。「(ミサに)いていいよ」と言われたが、少々気まずく、ミサに参加して、帰りが遅くなっても困るので出る。
シナゴーグの中に入れたのははじめてなので、貴重な体験だった。ユダヤ語では聖書のことを「トラ(Tora)」というらしい。マサトは兄が「トラ(タイガー)」というニックネームなので、「虎」に親近感があるらしく、感慨深げにしていた。私は神父さんが大変歓待してくれて、うれしかった。
カウナス−ヴィリニュス間のバスはゴーカバス。豪華を売りにしている(?)ウルソイ(トルコ)もびっくりだ。
スーパーEKOで買いだし。問題なくYHの元の部屋へ戻って来れた。