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924日(木) ビシュケク 晴れ

 

【暮らしなれたビシュケクを離れる】

 早朝一番、6時に部屋を出るとフロントには人がおらず、大声を出すと、奥から眠そうな顔で出てきた。外はまだ暗い。街路樹の立派な並木道を歩いていると、リスに出会う。我々はバスターミナルへと向かう。815分発のアルマトイ行きバスに、半ば飛び乗るように乗り込む。タクシーのほうが速いだろうな、と思いつつ。

大型バスでは5時間かかってしまった。

 バスには小学校56年ぐらいの少女達がワンサカ乗っていた。引率の先生らしい人もいる。修学旅行みたいなものなのだろうか。目的は分からないが、彼女たちは遠足気分そのままで、誰もが常時ムシャムシャと口を動かしている。モノが入っていないときはおしゃべりをしているから、まさに口は動かしっぱなしだ。我々の前に座る2人の女の子が珍しい東洋人に興味を持ったらしく、チラチラと後ろを振り向いては2人でヒソヒソと内緒話をしている。そのうち、自分たちが持つ水筒の水をくれたり、アメやその他お菓子をくれた。我々が何も食べずに、周囲の少女達をきょろきょろと見渡して「よく食べるなあ。口が止まらないね」と感心していた様子を見て、なにか思うところでもあったのだろうか。それとも「恵んで」くれたのだろうか。彼らはみな、そろいの服を着ているが、劇団かバレエ団あるいは合唱団のように思われた。我々はあげる菓子がないので、代わりに紙切れでツルやらカブトなどを折って、菓子をくれた子たちに配った。

 

【今度こそ、ウズベキスタン大使館】

 アルマトイのバスターミナルで荷物を預け、タクシーに声をかけてウズベキスタン大使館へと急ぐ。着いたのはビザセクションの開始時刻15時きっかり。我々の先客は3人。「これなら4時には終わるね。そしたら郵便局にも行けるし、銀行でお金も下ろせるね」と我々は久しぶりにウキウキ気分である。しかし、我々の期待に反し、仕事は遅々として進まず、おまけにあとからやって来たくせに、警備兵になにくれと告げると、どういうわけか優先される人がいる。どうも旅行代理店により代理申請のようである。つまり我々も、ここにターニャが居てくれたら、このように待ちぼうけを食らうこともないのだ!

 4時になっても順番は来ない。待ち人は増えない。「この時間で銀行に行けたなー」とつぶやいてみる。

5時。我々の番が来た。開け放しの扉から入ると、先日と同じ女性が応対に出た。パスポートとInvitationを渡すと、彼女は大使館に届いている書類との照合のために奥の部屋に消え、そして電話口でなにやらしゃべる声がする。我々の左側の壁にはビザに関する通知がいくつも張られている。気になるのはビザの代金だ。先日ここに来たときにちらりと確認したところでは「160ドル」と書いてある、ように見える。しかし「何かしらの事情による場合は2倍になる」というようなことも書いてある。財布の懐が若干怪しく、ここから先でのキャッシングはタシケントまで望めないとすれば、ここでの120ドルは痛い。それがもしも240ドルになったら?

「もう5時だから銀行はダメだなあ。とするとここでまた1日足止めになるね。まあ、何とかなるとは思うけど、懐が寒いのは心配だよねー」。

そんな心配をしているとオネエサンが現れて、ビザの貼られたパスポートを「はいっ」と返してくれた。ここで不愛想に「シックスティダラーよ」という声が出るはずだが、彼女は何も言わない。僕らは言葉を失い、パスポートを受け取った手を引っ込めもせず、パチクリと彼女を見つめるばかり。

「あの・・いくらですか?」

と聞くと、これまた大使館職員にしては珍しいことに愛想良く微笑み、「No Money!」と答えた。

なんと? Invitationがあると、ビザはタダになるのか?!

いままで、多くの人々がビザを受け取り出てくるときに満面の笑みをたたえる姿をこのウズベク大使館で不思議な思いで見ていたものだが、これはこういうことなのか?

「やった!」

天にも昇る心地とはこのことだ。いままでの、ターニャの要領を得ない応対や、大使館への無駄足、そして今日のイライラは全て吹っ飛んでしまった。これで銀行に行かなくても済むぞ。ここからバスで郵便局まで行き、絵はがきを買って親父と伯父にお悔やみのハガキを出した。

 

 これで今日の仕事はほぼ終了した。ターミナルには20時に行けばいい。少々レートは悪かったが両替もした。今日は頑張った。カフェ・サリャンカの入り口前にある屋外カフェで、御機嫌な夕食を取る。

 再びアルマトイにやって来てあらためて実感するのは、まず都会には車が多いことだ。オシュ<ビシュケク<アルマトイと、実に明瞭顕著である。そして物価もこの通りで、アルマトイの物価はビシュケクの2倍と言って良いだろう。ビシュケクの物価は、中国の2倍の印象があるので、カザフと中国では4倍だ。しかし良い面もある。アルマトイはほこりっぽさを感じないのだ。「アスファルトのおかげかもね」とユウコが言う。そうかもしれない。

 

 バスターミナルへ戻り、2030分発タシケント行きのバスでジャンブールへと向かう。