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223日(火)瀋陽 晴れ

 

【承徳へ】

5時半起床。

チェックアウトは難なく終わり、7時過ぎに瀋陽南站に着く。

待合いは拍子抜けするほど閑散としている。ユウコによると、@我々が今日乗る列車はマイナー路線であり、駅自体の規模が小さいこと Aここから出る列車の行き先(大連、撫順など)にはバス路線も多いこと、が、原因ではないかということだ。

我々はしばらく待合いで過ごすが、我らが列車524直快は、すでに入線していたらしく、検票口も開けっ放し。

硬臥は2号車の1両のみである。いつもの3段寝台だが、上段の客はほとんど無く、車内にはずいぶんとゆとりがある。あとでみたところ、隣の座席車両はガラガラであった。

 

日は高いが、皆さんに倣って我々も一眠り。子どもが元気で、うるさい。10時半に起きると、ユウコは固まっていた。

車窓を眺める。ここ中国東北部にも、農村にはロバ、牛、そして羊がいる。街にも、砂鍋羊肉の看板も多い。これはモンゴル人の影響だろう。しかし、調べてみて知ったが、砂鍋、肉は満族がオリジンなのだそうだ。

外は乾燥しており、砂っぽい風景が続く。しかし畑は整地され、所によっては、もう何か植わっている。そんな中、放牧された羊や牛が、雑草の根なぞを食べている。

 

車内で弁当を買う。ビールやピーナツも。

瀋陽から丹東に行けば、その先はすぐ朝鮮だ。ピョンヤンも近い(行かないけど)。

また寝る。13時〜16時。

1650分、凌原に到着。そしてほどなく朝陽。この2つの駅で、かなりの客が降りた。新客は来ない。

 

2155分、承徳に到着。乗客も少なく、列車員も呑気な列車であった。ホームの向かいには「ウランバートル−北京 特快」が止まっている。

駅を降りるとホテルの客引きがある。さすが観光地だ。我々も、人の好さそうなオバサン2人に声をかけられ、「山荘賓館」のパンフレットを見せられた。

近くだというし、120元程度だというので付いていく。

が、入ったのは駅前の、違う宿である。

すぐにオバサンのことがウサン臭く思われてきたが、それでも、このホテルは料金は標準間で120元と手頃だし、雰囲気も悪くない。

しかし、外人は泊まれるのだろうか。そこでオバサンにたずねてみるが、は何を聞いても、ニコニコと愛想笑いで、

「大丈夫大丈夫、安いでしょ? 気に入った? ここにする?」としか言わないので、直接フロントに聞いてみる。

「外人不可」の返事が返ってきた。

 

我々はオバサンに「ここは外人不可だ」と言って、2人だけで外へ出た。

するとおばさん2人、やはりニコニコしながら、

「そうそう、あそこは外人不可なのよ」と調子が良い。そして、

「車を呼ぶから」と、ヤンキー趣味のアンテナやピンライトが付いた黒塗りのVWがやって来た。

運転手は、これまた成金風のオヤジ。

「今度こそ山荘賓館に行くからね」と、5人で行く。

 

今度は「雲山飯店」なる立派なホテルだ。

「違うじゃないか」と我々が怒ると、

「違う違う、そうそう、でも120元で泊まれるよ」と調子が良い。

どうもアヤシイ。こんな立派なホテルにそんな安部屋、あるものか。

「ほら、120元よ」と、フロントの料金表を指さす。しかしそれは「2小時休息用」である。標準間は380元だ。

2小時休息用って書いてあるよ」と言うと、「そうそう、泊まりは380元。だけど口を利いてあげるから、120元」と答える。

だったらフロントと交渉してほしいものだが、オバサン2人は、物腰柔らかなフロントの男性が声をかけても無視し、彼の方を向かない。

そしてユウコが中国語でフロントと直接やろうとすると、

「大丈夫大丈夫、私が口を利くから」と割り込む。

「話をさせろ」と僕は日本語で悪態をつく。

 

我々がもめる様子にたまりかねたか、フロントの男性が

Do you speak English ?」と尋ねてきた。これならば、おばさん2人に内容が知られない。

僕は改めて「一泊いくらですか?」と尋ねた。

「ここにあるとおり、380元となっております」

「彼女たちは120元になると言ってますが」

「できません。それは2時間休憩のお値段ですので」

「まかりませんか」

「できませんよ。我々は3ツ星ホテルですから」。

 

いよいよガマンならん。

我々は「サイナラ」とばかり、早足でホテルを出た。

オバサン、しつこくついてくる。

「ごめんごめん、今度はホントに山荘賓館に行くから」。

我々はもはや聞く耳を持たない。

さきの車での移動中に、途上にあった山荘賓館が3ツ星ホテルであることを確認した。

120元で泊まれるはずがない。

オバサン、しつこく、僕ではなく、ユウコを引き留めようとする。

「ここがどこだか分からないでしょ」

「いいんです、サイナラ」

「車で送ってあげるから」

「いいんです、サイナラ」。

 

ついに車がついてきた。我々は歩いて橋を渡る。来た道を戻れば駅だ。

「そっちには、外人が泊まれるホテルはないよ」

「いいんです、サイナラ」。

ようやく諦めたオバサンは、黒いVWで去っていった。

 

静かになったところで周囲を見ると、「承徳大厦」が見えた。まずはここを当たろうと思っていた宿である。

承徳は(歩き方を見る限り)安い宿がない。観光地だから仕方ないのかもしれない。承徳大厦も2人で260元とある。

フロントに行ってみると、200元の標準間もあるという。歩き方では3ツ星となっているこのホテルだが、それにしては安い。宿の設備も、やや格が落ちる感じである。とはいえ部屋は清潔だし、シャワーにはバスタブが付いている。ここまで出せば、確実な宿に泊まれる、ということだ。

オバサンの愛想の良さは哈尓浜の青年を思わせ、油断したが、黒塗りのVWが出てきたところで拒否反応を感じた。

本来ならあそこで拒絶するべきなのだ。無事で良かった。中国は油断ならない。

承徳はちっとも寒くない。