中国(2回目)4(No.93)清朝の避暑地〜承徳
【アヤシイ客引き】
2月23日
沈陽駅はわりと落ちついていて、待合いに承徳行きの人はいない、と思ったら、もう検票が始まっていた。
私たちもホームへと向かうと、承徳行きの列車がもう待っている。
列車は旅游(旅行用)列車よろしく、硬座もカバーが掛けられ、硬臥も中・下段しか使用せず、人も少なく、落ちついている。
今日は、車両の地元の人と話すこともなく、話したのは列車員の年配女性のみ。皆、静かで呑気だ。(子どもはウルサイが。)
私たちものんびりと過ごす。
予定通り承徳到着。もう夜10時になる。まずは宿探しだ。
1床50元とか10元とか大丈夫か?と思うアヤシイ賓館が多いが、1人客引きのおばさんにつかまる。
この客引き、「山荘賓館」のパンフをもっているが、
予算が二人で120元というと、近くの旅社(簡易宿泊所のようなところ)に入り、我々に部屋をすすめる。
「私たちは外国人だ」というと「ここには泊まれない」と旅社のフロント。
それはそうだ。今まで、そのようなところで泊まれたためしはない。
そこを出て、「山荘賓館に行くタダの車があるから」とおばさんに車に乗せられるが、
この車が黒塗りの乗用車、運転手はヤクザ風。アヤシイ。
そして車は「山荘賓館に行く」と言っておきながら、「雲山飯店」に向かう。
なんだか立派なホテルだ。
おばさんが「90元だ」という部屋は1日ではなく2時間使用のもの。話が違う!
「90元は休憩で、1泊380元だよ。」と言うと、
「私の口利きで120元にしてあげる。」
という。しかし、彼女の口利きがきく気配はない。
マサトもフロントと英語でやりとりし、このホテルで値引きがないことを確認する。
こいつらはサギだ!何とかして逃れなければ。
「雲山飯店」を出、「自分で行くからありがと」とおばさんにいって歩き出す。おばさん、しつこくついてくる。
最後に一言だけ書かせてとおばさんがいうので、何を書くのかと思ったら、「山荘賓館以外は外国人は泊まれない」という。
「ウソだ」と突き放して歩くと、やっと去っていった。
しかし、何もされなくて良かった・・・(マフィアだったかもしれないし)怖かった。
もう客引きには二度とかかわらないようにしよう。とくに夜は。
思い返せば、彼らは旅行社なら必ず持っている、身分証を持っていなかった。
【承徳大シャに居を得る】
少々ボロイが、お湯は出るし、部屋も暖かいし、良いほうだ。
まあ、1泊200元だしね。良くなきゃウソだが・・・。
2月24日
昨日は宿が決まるのが遅かったが、電車で寝たせいか、7時前にスッキリ目が覚めた。
期待せずに「朝食付きですか?」とフロントに聞くと、「ありますよ」とアッサリOK。
隣のフロントの小姐は「ナイワヨ!」と怒っていたが、大丈夫なのか?
なぜか従業員飯にまぜてもらう。
白米のおかゆとマントウ、胡瓜の浅漬け、野沢菜風の青菜と大豆の漬け物、大根の醤油漬け、塩ピーナツというおかず。たくさん食べて満腹。
【承徳ラマ教寺院群】
駅に行く。けっこう並んでいる。しかし、北京行きの切符がとれた。
各駅停車で時間がかかる列車しかないけれど、仕方がない。
銀行に行く。これも問題なし。
せっかく承徳に来たので、清朝の避暑用宮殿、避暑山荘もひやかそうと思ったが、しつこいガイドがおり、やめる。
ラマ教寺院群の一つ、普寧寺へ。ここでも土産屋の客引きがうるさい。僧も俗物的だ。
驚いたのは、「お布施の額によって功徳も違います」と金儲けがあからさまなこと!
10000元寄付すれば、「功徳一生」なのだそうだ・・・。
普佑寺は服務員のやる気が感じられないので見ない。
須弥福寿之廟はすばらしかった!!静かだし、本堂が非常に美しい。
3階建てで1階に釈迦とツォンカパ、2階に釈迦と弟子、3階に金剛がある。
美しい飾りが下がっている。
珍品館には高いので入らない。敷地の奥に瑠璃宝塔あり。
今日は暖かく、景色がいい。遠くの山にある、奇岩が見える。山の頂上から大きな長方形の岩が突き出ているような様子だ。
地上のゴミの山や人々のツバを見ないようにすれば、承徳はさすが清朝の避暑地、山がちな美しいところだ。
本日3つ目の寺院である普陀宗乗之廟ともなると、見ても「同じだなー」という感想。
大紅台という本堂は3階まで登れ、いろいろな仏像が展示されているが、それよりも(賭け?)トランプに興じる、従業員のモラルの低さが気になる。
ここで展示されている仏像は、チベット仏教というよりも、中国仏教そのものだ。見応えはある。
街に戻り、「長安餃子城」で食事。
酢豚(具は豚肉だけ)、ピーマン・玉ねぎ・ジャガイモの生姜いため、ニラ・しょうが・トーフの餃子(素三鮮水餃)の3品で20元。安い。そして美味しかった。
今日は中国のミカンを買ってみる。とても甘くておいしい。