中国(2回目)5(No.94)やっと首都に来た〜北京1

【ごったがえす硬座】

225日(木)

早朝、承徳大シャをチェックアウト。大変快適であった。

承徳からの北京行きはたいして混んでいないだろう・・・・と思っていたが、甘かった。

人がギュウギュウである。

ユウコ、乗車のどさくさでミカンをなくす。何か手荷物が軽いナーと思っていたら、昨日買ったミカンが2個しか残っていなかった。

電車で食べるために、良いのを選ってあったのに・・・・(4ヶくらい落とした。)

前後に動く場所もないので、もちろんしゃがんで探すスペースはない。

これじゃあ、乗車中にトイレもいけないなとあきらめる。

何とか座席に到着。硬座は本当に硬い。

座れない人ももちろんいる。

しかし、ごったがえす人の間をぬって、たくましく切符売り、アイス売り、カートを使ったビール売りまでやって来る。

そして、「トイレに行きにくい」とわかっているのに、人々は乗車中常に飲み、食う。

もちろん、たばこもプカプカ。そしてムリヤリ通ってトイレに行く。

乗車の際、皆大きな荷物を抱えていて、「こんなに乗りきらないよ」と思っていたが、いつの間にかぜんぶ網棚におさまっている。

あるいは荷物そのものが座席と化している。不思議だ。

我々の席は親子連れ(父・母・娘・息子)斜め前の席に軍人さんがいる。

軍人さんは女性でカワイイ人だが、率先して空き缶を車外に投げ捨てている。

「軍人なら人々の模範になれーーー!」と心の中で叫ぶワタシ。

硬座の旅は大変つらいが(この車両で23日もする人は本当に大変だ)、

承徳を通るウランバートル行きの鉄道があるんだねという話をマサトとすると、

二人とも「しぶいねー、乗ってみたいねー」と言っている。

修行のようなのに、なぜか旅情を誘う、中国鉄道旅行の魅力って不思議だ。

 

【渤海賓館に滞在】

北京の宿は高いのではないかと心配していたが、駅の中の紹介所のおばちゃんと交渉し、1部屋240元の渤海賓館を150元でとめてもらう。

交通の便もよいところで、本当に良かった!

部屋はエアコン付き、テレビ付きでもちろんお湯も出る。お風呂にはバスタブ付きだ!

 

【散策】

次の目的地は昆明だ。出発は4日後の予定。ガイドに北京西駅は5日先の切符まで売っていると書いてあったが、3日先までしか売っていない。出直さなくては。(歩き方のうそつき!!)

民族楽団のコンサート:新春音楽会を見たかったが、終わっていた。

中国電信でインターネットをしようとするが、要領を得ない。どうも、自宅に回線を引くのならいいようだが、

ここでインターネットを時間利用するというのは無理なようだ。

あきらめたので、マサトが怒った。しかし、ここで粘るよりは、インターネットカフェのようなところを改めて探した方が早い。

怒っているマサトをなだめていちいち説明するのも面倒くさいので、「iで聞くから」と、簡単に言った。

北京の繁華街、王府井の裏道にある食堂は良かった!!

ピーマンと豚肉の炒め物(青椒肉片)、厚揚げ・豚肉・きくらげ・ピーマンのからしいため(家常豆腐)、ビール2本、ごはん2杯で27元!(安い!)

Good店!

帰りに近くのスーパーでおつまみを買ったが、同じくらいのお金がかかった。

マサト、スーパーの入り口で「カバン!!」と日本語で注意される。

スーパーに入る前にカバンを預けなくてはならないシステムのようなのだが、

日本語で注意されたことに、マサトはびっくりしたようだ。

そして、このスーパーの入り口には日本語で「入る前にかばんを預けてください」と書いてある。

スーパーが入っているビルのエスカレータでも日本人に会った。

この、日本人の多さ、さすが首都だ。

 

【北京ダックのファストフード店】

226日(金)

渤海賓館には朝食もつく。

おかゆとマントウ(あん入り・あんなし1ヶずつ)、醤油煮たまご、きゅうりのQちゃん風漬け物。

安くて、快適で、食事も付く、Perfectなホテルだ!

部屋も毎日掃除してくれる。

連泊すると、掃除しないホテルも多いが、これは嬉しいサービスだ。

街へ。今日は無事、駅で昆明行きの切符がとれた。

次は中国銀行で軍資金を得る。ここでドルキャッシングはできなかったが、今、2人で800ドルはある。これだけあれば、ラオスは余裕で乗り切れるだろう。

あとは昆明かバンコクで必要ならもう一度キャッシングすればいい。

両親への土産に清心丸という薬を買う。現像に出した、写真も受け取る。

渤海賓館近くの安食堂で食事。人気の有る店。なるほど、安くて、それなりにおいしい。

マサトの買った、揚げあんころモチが絶品!それと牛肉面を食べる。

部屋に戻り、写真にコメントし、不要な荷物をマサトの実家に送るべく、郵便局へ。船便にしたため、意外と安くあがる。

私の実家にも清心丸を送る。

郵便局の隣の電話部にインターネットがあり、メールする。しかし高かった。

実家母にもTel。元気そうだ。忙しいらしい。

そして、今日のメインイベント、北京ダック店「全聚徳」へ!!

ここは、海部やブッシュも来たという名店だが、ファミリー向けの店舗が併設されており、

そのファミリー向け店で、我々は「ちょっとごちそう」を楽しむ。

北京ダックというと、日本では高級料理だが、マサト「ケンタッキーと変わらないよ、このネダン。」

たしかに。このファミリー向け店舗の北京ダックと、KFCのチキンセットはほとんど同じ価格だ。

この店の器は紙皿とファストフード店風なのだが、北京ダックのファストフードがあること自体すごい!!

ビールをつけて、2人で8ドル。せっかく北京にいるのだから、ケンタッキーに行くよりは良い。

ファストフード店風といっても、味噌もおいしかったし、我々には身分相応で良かった。

皿は紙だが、料理を運ぶのは本格的で、家鴨をさばくパフォーマンスもある。

鴨半羽(225g)+ネギと味噌で50元、それに鴨スープがおまけで付く。皮(薄もち)が1人前2元。ビールは5元。2本飲んだ。

全部で8ドル。ちょっとした贅沢である。ちなみに、ここで使われている鴨は合鴨ではなく、いわゆる「アヒル」である。

 

【故宮・天安門・天壇・京劇】

227日(土)

今日の朝食も内容は同じで、漬け物が胡瓜から大根に変わった。

国際郵便局で写真を出す。ガイドには土曜は国際郵便局は休みとあったが、土曜日もやっていた(ガイドは間違っている)。

故宮・天安門へ。おお、さすが週末、すごい人だ。

もちろん日本人もいるが、中国人観光客が多い。我々も皆さんに習って、天安門の毛氏の写真前でパチリ。

今日は交代で取るのではなく、2枚ほど地元の人に2人一緒の写真を撮ってもらう。

故宮は沈陽の故宮と似ている。しかしさすが本家、規模は数段大きい。

カラクリ時計、珍宝館などは別料金で、中国人もあまり行かないようなので、見ない。

実際、それを見なくても十分広く、見応えがあった。

故宮の外見は一見地味だが、内装の彫刻、金ぴかの天井、柱などはさすがに豪華である。

中央にある太和殿、乾清宮も美しいが、石春亭の奇岩なども面白い。

故宮を歩き回ったので、オナカがすいてきた。

2人の意見は「昨日全聚徳の近くで見た、あの有名シュウマイ屋「都一処」に行きたいね」で一致。

都一処のある前門へ。三鮮シュウマイ(挽肉、ピーマン、タケノコ、ねぎ、しょうがなどの入ったシュウマイ)、鶏肉の甜麺醤炒め、お茶を頼む。

周りの中国人はいろいろ、もっといっぱい頼んでいる。外国人客も多く、白人さんもちらほら。

店員に日本語使いもいるようだ。

味も良いし、それだけにお値段も良い。しかし、ファストフード店よりは数段良い!

実は、この後天壇を見学して、チェーン店のラーメンを食べたり、コーラをMacで頼んだが、あんまり都一処と金額的に変わらない。

ああいう店が意外と高い。しかし、ファストフード店は居たいだけゆっくりできる。

都一処のようなところだと、たくさん食べ物を頼んでおかないと、すぐに皿を片づけられ、ゆっくりできない。

夜の京劇のチケットを事前に手に入れ、天壇へ。

お目当ての祈念殿はもちろん美しいが、円丘のエコーシステムには驚いた。

イランのゴンバデカヴースが懐かしい。

世界共通、どこにでもあるのね。エコーって不思議な感じだもんね・・・。回音壁で100mくらい離れ、私たちも会話を楽しむ。

そして夜は京劇!!湖広会館にて、北京京劇院の人々の公演で、3題目。

1つめ「三岔口」さんちゃこう

 三叉(さんさ)路に面した宿屋で、真夜中、二人の男が死闘を繰り広げる。 『楊家将演義』(「楊家の物語」)の一節。

三叉路に面した場所にある宿屋の主人・劉利華(りゅうりか)は、焦賛(しょうさん)という名前の豪傑をかくまっていた。

その宿屋に、偶然、焦賛の親友である任堂恵(じんどうけい)が泊まる。

実は、任堂恵は焦賛を助けるために旅してきたのだが、宿屋の主人は、てっきり任堂恵が焦賛を殺しに来たのだと誤解する。

夜更け、宿屋の主人は任堂恵の部屋に忍び込み、殺そうとする。二人は何も見えない闇のなかで戦う。

最後に焦賛と宿屋の主人の妻が駆けつけて、みんなが実は仲間だったことがわかり、めでたく幕となる。

 

2つめ「拾玉鐲」 しゅうぎょくしょく

書生の傅朋は、たまたま訪れた孫家荘で村娘の孫玉姣と出会い、お互い恋に落ちる。

傅朋はわざと玉鐲(玉の腕輪)を落とし、孫玉姣に拾わせる。

それを見た仲人稼業の劉婆は孫玉姣を訪ねて思いのうちを聴き出し、孫玉姣の刺繍靴を預かって二人の仲を取り持つ。

 

3つめ「盗仙草」 とうせんそう

 仙人の薬草を盗む、というお芝居。『白蛇伝』(はくじゃでん)の一節。

白い蛇の精は、白素貞(はくそてい)という名前を名乗り、自分の正体を隠したまま人間の男性・許仙(きょせん)と結婚生活を送っていたが、

ある日、夫に自分の正体を見られてしまう。夫は驚きのあまり心臓麻痺を起こして倒れてしまう。

 白素貞は、妊娠中というハンデキャップをかかえながらも、愛する夫の命をよみがえらせるため、

神々の世界に生えている魔法の薬草を取りにやってくる。

しかし、そこで、魔法の薬草を守る番兵(ばんぺい)たちと戦いになる。

 

2008追記】

上記題目の説明は立派な説明ですが、私の書いたものではありません(^^;)

日本京劇振興協会さんの京劇実況中継というページを改訂して載せさせてもらったものです。

当時、観劇したユウコの理解の実際は・・・

当時のメモを見てみましょう。↓

1つめ「三岔口」

二人の義息が親父を殺そうと、夜、寝室に忍び込むが、親父はおらず、二人ともお互いに目的の親父だと思って争うのがおかしい。

アクロバット風

(まず、宿屋のオヤジを父ちゃんだと誤解してますね。義兄弟の事を本当の兄弟だと思ってますね。)

2つめ「拾玉鐲」 しゅうぎょくしょく

街の裕福な青年に見初められた娘が、青年より贈り物をもらうが、そこをお母さんにこっそり見られていて、

許しを得ようとするのだが、お母さんがわざとちょっとした意地悪をする話。

(仲人おばちゃんを姑か母と勘違いしてますね・・・)

3つめ「盗仙草」 とうせんそう

家族(夫?)のために仙人の草を盗みにやってきた女の人と山に住む山賊の立ち回りの話。

バトンを使った雑伎風。

(まあまあ、当たってる?メモ短っ!!)

まあ、勘違いしてても京劇は楽しめる・・・という話です。日記に戻ります。

 

TVで京劇を見たときは歌が多く、オペラ風なのかなーと思っていたが、

今日のは外国人向けのせいか、雑伎団に通じる、アクロバット風のものが多かった。

席も20元の一番安い所で見えにくいのではないかと心配したが、会場が空いていたせいもあって、全く問題なく、

かえって「高い席にしなくてよかった」と思ったほど。京劇鑑賞は予想以上に楽しかった。

マサトと「毎日演目が違うなら、明日も見たいくらいだね」と話す。

そう、湖広会館は明日も同じ演目なのだ。

明日はもう一つの京劇常演劇場である梨園劇場に行ってみよう。

大満足で部屋に帰る。