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22日(火)サンクト・ペテルブルグ 快晴

 

【青い空に意気揚々と行きたいところだが】

 ユウコは休養日。よって、今日はゆっくり9時起床。僕は1人で市街散策に出かける。10時半だ。その前、このYHでは朝食が出るというので食堂に行くと、出されたのはコーンフレーク、牛乳、パン、チーズ、ジャム、コーヒーあるいはチャイと、いたって質素であった。

 

 部屋から外を見る限り青空がきれいで意気揚々と外へ出るが、寒い!!

「いやぁ、これは甘かった」と思う。

昨日は暖かかった(おそらく昼間は0℃近いと思うが)ので、軽く考えていた。

晴れたので放射冷却になったのかどうか、知らないが。とにかく、ムチャクチャ寒い。シゲットの、あの列車で過ごした厳しい朝よりも寒いのではないかと思う。

「温度計を持ってくれば良かったなあ」。

寒空で輝く太陽を仰ぎながら、一人つぶやく。

あるいは−30℃まで達しているかもしれない。街を歩きながら写真を撮ろうと手袋を外すと、3分ともたないのだ。

 

サムイ、サムイ。

 

ネフスキー大通りを歩いてカザン大聖堂を見る。中に入れるらしいが、1人だとつまらないので入らない。

キリスト復活教会の眼前まで行く。ここには「アレクサンドル2世の博物館」があり、115ルーブル、水曜休み。開館は11時〜17時。

街を流れるネヴァ川を見ようと沿岸に出ると、川は結氷し、積もった雪で真っ白になっていた。

はるか対岸には金色に輝くペトロパブロフスク要塞の高―い尖塔が見える。その右奥にはモスクのような青いドームがぼんやりと見える。

 

【気軽な逃げ場といえば、やはりファーストフード】

 エルミタージュの裏側にあたる、ネヴァ川に沿った通りを歩く。エルミタージュ美術館へは明日にでも2人で来るとして、今日は外観のみの見物だが、とにかく寒い。とくに裏側は日陰になるので、よけいに寒かったのだろう。

「もうガマンならんぞ・・・」

と、思っていたところでマクドナルドの看板を発見し、逃げ込むように入った。

もはや足も地に着いた心地ではなく、頭痛もしてきそうな感じだ(もちろん帽子はかぶっているのだが)。手袋を二重にしておいて良かった。

 

マクドナルドでハンバーガーを食べながらしばらく暖を取り(こんなところへも物乞いのオバアチャンが現れ、ごみ箱をあさる姿には心が痛む)、アドミラルを見に行くと、メインの塔は修復中であった。

それから、立派な聖イサーク大聖堂を眺め(塔に登れるらしく、見物客が多い)、そしてふたたびネフスキー大通りへ出て、部屋へ帰る。この通りは歩いて飽きない。

帰り際、昨日見つけた商店街で買い物する。

「あぁ、日が当たるって素晴らしいな」と、思う。ネフスキー大通りは日当たりが良いので、歩いていると体も温まり、気分良く歩けるのだ。風もないから、なお良い。

しかし、それにしても、こう寒くては空気も乾燥するので、ズボン下で股ズレになってしまった。痛い。

 

【寒いのに、思い立って散髪を】

宿の手前、スヴォロフスキー通りでおしゃれな美容院を発見した。外から覗くと、男性客もいるようだ。そろそろ髪を切りたいと思っていたので、行ってみることにした。

黒と銀を基調とした外装は、周囲の重厚な歴史深い石造り建築とは不釣り合いなぐらい都会的で洗練されている。

扉を開け中に入ると、正面に待合い用の椅子とハンガーがあり、右手には女性用美容室、そして左には男性用理容室がある。スタッフはとくに区別されていないようだが、全員女性らしい。

金髪の、不愛想なオネエチャンに案内され、身振りで「とにかく短くやってくれ」と頼み、30分で刈られた。シャンプーもしてもらう。髪を洗うと、なんだか妙にサッパリしてすっかり良い気分になった。部屋の中は暖房がよく利いていて、むしろ暑いくらいだ。

彼女がドライヤーを持って、「××ナーダ?」と尋ねた。「ドライヤーをかけるか?」ということだが、僕はつい、

「いや、けっこう。ニェナーダ」と答える。

すると彼女は少し驚いたように、

「ニェナーダ?」と繰り返した。僕は、「うん、うん、ニェナーダだ」と再び答える。

散髪は50ルーブル(200円ほど)と激安である。店の雰囲気も良い。宿からも近い。ぜひユウコにもお勧めしたい。

 

良い気分で外へ出ると、頭が寒い。さきほどは眼鏡を外していたので気にならなかったが、頭がたいそう濡れている。シャワーを浴びたそのままなのだから当たり前だ。

「まぁ、いいか」と思って歩き出したが、1分もしないうちに頭がカンカンに冷えてきて、頭痛がしてきた。風邪をひいてはたまらない。走って宿に戻る。午後3時半であった。

 

 

【ロシアの次は】

 ロシアの次は、中国である。雲南、四川、華中、東北部など、ガイドブック(歩き方)を見出すとあちこち行きたくなってくる。日本の知人などに「3月で帰る」と報告し、4月から仕事に就くことも決まった手前、3月には帰らねばならないのだが、しかし、「やはり『5月』って書いておけばよかったかなあ」と思ったりもする。

もともと、僕の青写真では「5月帰国」だったのだ。とはいえ、自分たちで考えた末のことだから、このまま行くのが最良だろう。

 

 できるだけ空を飛ばずに行きたい。が、ムルマンスクのような「スポット」旅行は、妥協しても良いかな、と思う。列車より安いことも魅力である。それに、そのあとサンクトに戻ってきて、それからモスクワへ列車で入ることにすれば、「線」としては繋がる・・・(ムルマンスクからモスクワに飛んでしまうと、「線」にならない)のだが、これを書いていたらユウコが「わざわざサンクトに戻ってくるの?」と僕を問いただした。失礼、これは「例えば」の話です。

それにしても、同様のことは、例えば昆明から潞西に行く際についても言えるのであって、つまり昆明−潞西のルートは雲南からラオスに抜ける道程からは外れるわけであり、その途上の道中にこだわりを持たないとすれば、飛んでしまうのが楽だなあ・・・。

と、いろいろ考えていくと、「飛行機を効果的に使った方が楽だし、楽しめるし、いいんじゃないか?」という気になってくるが、それはそれで、「なにそれ?」という感じでもある。つまり、何となく残してきた旅の意義が薄れてしまうような気がするのだ。もっとも、すでに飛行機は使っているわけだが。

 

 しかし、(旅に出る前の)当初の計画では雲南についての具体的プランは何もなく(そこまで考えていなかった、というか、「金平に行ければそれでいいや」程度のものしかなかった)、そして、今この場においては、「いつ帰るか」というのも、ひとつのキーポイントになる。

僕は、できれば3月末ギリギリのほうが良いのではないか、と思っている。

それは、ひとつには「健康保険」の問題がある。

海外旅行中はいちおう傷害保険が適用される(と思う)が、日本に帰るとこの保険は無効になる(はずだ)。で、おそらく41日に入社するであろうから、それまで保険はない。

 

そして、僕は3月中に引っ越しが出来なくても良いと思っている。

ユウコは、「仕事が始まったら探す余裕も、移る余裕もなくなる!」と怒るだろうが、3月の下旬に、それなりの条件が整ったアパートの空き部屋が見つかる可能性は低いだろうし、第一、引っ越し会社の手配がつかないのではないか。

それ以前に、3月末は学生旅行者の帰国ラッシュなどがあるだろうから、フライトのチケットが取れない可能性もある。仮に取れたとして、間違いなく料金は高いだろうし。

そうなると、4月からの通勤を含めた当座の生活は親元からということになる。またユウコは怒るだろうが、彼女は自分の実家にとりあえず落ちついてもらうことになるのが良いような気がする。

別居夫婦だ! 冗談ではなく、けっこうまじめに考えている・・・。

と、ここまで書いたら、「でももしそうなったら、私はマサトの実家で(一緒に)暮らすよ」と彼女が言ってくれた。

 

その言葉は嬉しく思いつつも、しかし、やはり真剣に考えれば、遅くても325日ぐらいには帰りたいし、帰らねばならない。

320日は結婚記念日だナァ・・・」。

このときに日本で過ごしたい気もあるが、連休だし、それならむしろ、思い切って石垣島にでも泊まれたら楽しいのではないだろうか。

こっちのほうが無理があるか?。

僕はじつは、バンコクから台北に飛び、高雄から船で石垣島に「帰国」するというルートもけっこう真面目に考えていた。

「帰国ついでに南西諸島にも行ってみよう!」というわけだ。

だが、このプランを、とくに320日を目指して実現させるとなると、その前の日程がそうとう詰められカツカツになってしまう。

やっぱり無理か・・・。

だったら、320日はバンコクリゾートよろしく、良いホテル、良いレストラン、というのも美しいと思う。

ユウコにはもう少し経ってから(中国に入った辺りで)話そうと思っていたのだが、ことのついでなので今日話してみた。おわり。

 

 そして相談の後、一応の帰国予定日を「323日(火)」とした。

さしあたっては(家財も預かってもらっている)僕の両親の家に落ちつき、ユウコの両親宅へは翌日に挨拶に行く、ということにした。そのあとは、そのあとだ。

 

 ところでキリスト復活教会の前ではみやげもの屋の露店が建ち並んでいる。マトリョーシカが美しく、目を引く。ふと足を止めると、売り子が(ロシアにしては珍しく)愛想良くニコニコと声をかけそばに寄り、ときには英語で説明してくれる。精巧なマトリョーシカの中には15体も入るのがある。さすが本場は違う(極東ではこのように美しいマトリョーシカを見られない)。

本場と言えば、ここはロシアバレエやオペラも本場であるが、「歩き方」によれば、チケットは、

「日本に比べたら格安で『50ドル相当』」だという。「我々にとっては割高だよね」と僕は笑った。

 

日本から持参していた僕のハミガキを、とうとう使い切った。ちなみにユウコが持ってきていたハミガキはブダペストで既に無くなっており、買い足してある。