111日(月) ブラチスラヴァ 曇り(コシツェでは雪、夜は雨)

 

【東部スロヴァキアの都市、コシツェへ】

 移動日。

5時半起床。750分発のコシツェ行き急行に乗り込む。

適度に客がいて、我々のコンパートメントにはオジサン、オネエサン2人+我々の5人。昨日訪れたトレンチーンを過ぎる。お客さんの入れ替えも適度にある。

 

13時ポプラド着。ここでほとんどの人が降りるようだ。コンパートメントのオジサンと、途中から乗ってきたオバアサンも降りていった。優しそうな面もちのオバアサンは我々のことをなんとなく気にかけていてくれたようで、帰り際にユウコの肩を叩いていった。

 

 ポプラドはスロバキアとポーランドとの国境を成すタトラ山脈への入り口である。スキーリゾートが有名で、駅舎にはウィンタースポーツ大学選手権のような案内板がある。いや、すでにルーマニアでは2回、シナイアとポイアナでスキーを楽しんでいるが、僕はヨーロッパに入る前、ここでもスキーをしようかと計画していた。さらに、この町を起点として、タトラ山脈の東麓をかすめる田舎バスを乗り継ぎ、ポーランドの国境を越えてザコパネに至り、タトラ山脈の反対側(つまりポーランド側)でもスキーをしようとも思い描いていた。田舎バスで峠の山道を走り、国境を越える。これはこれで面白い。しかし、ポイアナで十分にスキーを楽しめたせいか、僕の頭の中にはスキー欲がすっかり無くなっていた。しかも、山越えルートは寒さと雪との闘いとなり、あるいはバスはないかもしれない。というわけで冒険は避けたのである。

 

 1315分、ポプラドの隣Spisska Nove Vas着。ここでも多くの人が降りる。コシツェに行く人は少ない。

 

コシツェには1405分に到着した。

雪は舞うが、街はかわいい。

 

スロヴァキアを東西に横断するブラチスラヴァ−コシツェ間は主要幹線ということもあって列車は速く、445km6時間で走った。中部では山間部あり、また水辺もあり、車窓も面白かった。ポプラドの前から雪になったが、「やはり冬なんだから、降ってもらわないことには拍子抜けだよなー」と、勝手なことを言っている。

 

駅から街の中心部に行く途中にホテルEuropaがある。ロンプラには「わりかし安いホテル」と紹介されていたが、外見は思いのほか立派な造りである。小さな宮殿のようだ。部屋を見せてもらうと、悪くない。ただしシャワーは共同で、男女の区別がない。そして、値段はちょっと高い。スロヴァキア人450 東欧540 その他690と、外国人料金があるのも気が悪い。

 

ので、ここはやめて、旧市街の中心フラヴナー広場にある旅行案内所へ行くことにした。ここではいくつか安宿を紹介してくれたが、予約まではしてくれない。そこで、場所だけを教えてもらって、5分ばかり歩いたホテルMetropolへ行く。2階建て、山小屋風の造りは、群馬の葉留日野山荘を思い起こさせる。シャワートイレは共同だが、1600SKというので、ここに決めた。ベッドが3つある部屋をあてがわれる。

暖房が効いている、というか効きすぎで、部屋の中ではTシャツ1枚でも暑いぐらいだ。乾燥をしているので喉をやられないようにしなければ。

 

落ち着いたところで再び駅まで戻り、バスと列車の時刻を確認する。そしてスーパーTESCOで買い物(ロンプラの地図ではK-martとなっている)。

夕食をしようと街を歩くが、なかなか気に入ったところが無く、「宿の1階にもレストランがあったよね」ということで、ここに入った。

レストランの名前はK2という。スロヴァキア語のメニューしかなく、ウェイトレスのオバチャンもスロヴァキア語しか分からない。

夕食のセットはいくつかあって、それぞれ世界の山の名前がつけられている。僕は「チョゴリ」を頼む。ユウコのはなんだったかな。なにが出るかはお楽しみ。

 

メニューを見ても、ウェイトレスに話しかけても、なかなか全然分からないが、この「分からなさ」が旅の楽しみでもある。そして、こうでなくては土地の言葉を覚えられないと思う。実際、ブダペストに10日いても、マジャール語はほとんど覚えなかったし、使わなかった。ここではフロントのオネエサンも英語はほとんどダメだが、それで良いと思う。旅をするのは、そのほうが面倒くさいけれど、その苦労があるからこそ面白いのだ!

 

 旧市街の中心フラヴナー広場、および広場から南北に伸びるフラヴナー通りでは、暗くなるとビカビカ電飾が灯り、楽しい。町並みも美しく、足取りも軽くなる。じつはコシツェ、あまり期待していなかったので嬉しい。スロヴァキア、良いぞ・・・と、気をよくしていたところで出てきたビールはチェコのピルスナーである。0.5lビンで28SKと安い。ルーマニアやブルガリアでは輸入品となるこのビールは高級品の値が付いているが、ここでは大衆の酒だ。1ドル以下というところが良い。さすが兄弟国。さすが国産(正確にはチェコだけど)。

 

そのチェコ、いまや日本人はビザ不要となり、「今後はワンサカと日本人が増えて、プルゼニュも俗化するんじゃないかな」とユウコが心配するが、大丈夫。きっとみんなが行くのはプラハばかりで、プルゼニュに行く人はそうそうあるまい。良い街だったけどねー!

 

 それでピルスナーのビールを飲みながら考える。例えばボルドーのワインは、今まで訪れた何処の国でも高級品扱いだが、彼の地に行けばワインはみんなボルドー産なのだから、みんなしてガブガブ飲んでいるに違いない。もちろん、輸出用のワインはとくに良いワインを選んでいるのだろうけれど、いちど彼の地で地元の人々と共にワインを楽しめば、わざわざ有り難そうにワイン通をきどってお高くとまっているのは、なんだか馬鹿馬鹿しくならないだろうか。

 

 コシツェ一番の教会アルジュベティは、スロヴァキア最大のゴシック様式教会とのことである。今まで、大きな教会はどうも俗っぽいものが多く、とくにゴシック様式の教会はそれが顕著な印象があるが、それはきっと、ウィーンやブダペストで見てきた「観光地化された」教会を見た印象なのだろう。

 

ここの教会は美しい。ステンドグラスも良いが、人々の祈る姿こそが美しい。そういう意味では、ブラチスラヴァの聖マルティン教会も良かった。

 

白ワインを買う。Venusino Caro。お徳用1リットル。少しまったりめ、どっしりとした濃い味。だが意外と後味が良く、美味しい。

 明日はコシツェ→レヴォチャ→プレショフ→コシツェの日帰り旅行を予定している。

 

列車の時刻

コシツェ           Spisska Nova Ves              レヴォチャ

0815  0911(乗り換え)

0914      0935

 

プレショフ        コシツェ

1541  1623

1647  1731

1744  1824

1835  1917

 

コシツェ クラコフ

0606  1217 No.382 PRESOVCAN 

 予約and料金チェック(値段により、SKの残し具合に影響する)