スロバキア1(No.73)今はスロバキア首都、昔はハンガリー王国の首都〜ブラチスラヴァ

【スロバキアの首都】

18日(続き)

国境の橋を渡りきって、しばらく歩くと駅に着いた。ここから首都、ブラチスラヴァを目指すつもりだったが、時間的によい列車がないのでバスでいくことにする。首都へのバスはすぐ見つかったが、けっこう混んでいるので、途中まで座れなかった。乗客にはハンガリー語を話す人もいる。昔はハンガリーもこのあたりも同じ国だったのだ。

ブラチスラヴァのツーリスト・インフォメーションに行き、プライベートルームを紹介してもらう。プライベートルームではなく、安いホテルでもよかったのだが、どこも満員らしい。今日は金曜日だからだろうか。

紹介されたプライベートルームは、1階がカフェテリアになっているビルの3階。このビルにホストは住んでいない。少し薄暗いが、広―い部屋。前の人がチェックアウトしてから、そう時間は経っていないように思えるが、部屋の中を掃除したのか、微妙。キッチンは水も出、火も使える。しかし、ゴキブリが多いなあ・・・。この部屋は30ドル。安くはない。とにかく広い。そして市の中心部にある。広さと便利さを取ったのだと思うことにしよう。

お金をおろし、ごはんを食べに行く。今日はガイドブックオススメの元修道院にあるワインセラー「Krastoma Vinaren」。色とりどりの折り紙でほどこされた楽しい装飾、落ち着いた木のテーブルと、中の雰囲気は良い。しかし、25%ものサービス料。ここの税金だというので、仕方がないが・・・。

大型スーパー「テスコ」へ行ってみる。すごく混んでいる。何でも買える。水はチェコでよく飲んだDOBRA VODAGood Water)があって懐かしい。チェコで見たことのある主食「クネードリキ(白い蒸しパン)」が「クネドラ」として販売されており、ラップに包まれ、お菓子コーナーにある。そしてなぜかこのクネドラは冷やされている。(←ナマモノなのか!?)。

 

【ブラチスラヴァ観光】

19日(くもり)

マルティン教会を見る。この街がハンガリー王国の首都だったときは、ここで戴冠式も行われたという、立派な教会。ステンドグラス・彫刻が、美しい。

ブラチスラヴァ城へ。12世紀からある建物だというが、16世紀にはハンガリー王国の首都となったこの街の象徴となり、18世紀にはマリア・テレジアも住んだという。

城からの街の眺めは、近くの工場が目立ち、いまいちだ。都市で景観を保つというのは、なかなか難しいのだろう。城に併設されている歴史博物館は、劇作家についての展示、くつ、銀細工など職人芸の展示、たくさんの銀食器、いろいろな家具、時計などがある。家具は興味深いが、そんなに古いものではないので、なんだか「モデルルーム」か「家具屋」に来たような感じだ。インテリアに興味のある人には楽しい博物館だろう。

それよりも面白かったのが楽器博物館だ。館員のおじいちゃんは「日本から来たのか?ここには尺八のような楽器があるぞ。」と喜んで私たちに説明してくれた。たしかに「Fjara」という楽器は尺八に似ていた。音も出してくれたが、これまた尺八に似ている。「Fjara」の周りの細工が細かく、美しい。鹿の角で作った鹿笛もあり、これにほどこされている彫刻も芸術品だ。

博物館見物を終え、ミハイル門近くのレストランで食事。ミックスグリル盛り合わせを注文し、私たちの昼食にしては、豪華なメニュー。すこし贅沢をしてしまったが、あれだけ肉を食べたのだから、少々高いのは仕方がないだろう。付け合わせのゆでポテトが、栗のように甘く、おいしかった。

せっかく中欧に来ているのだから、今夜はオペラへ!と思っていたが、高いのでやめる。どうせオペラを見るのなら、いつかお金をためて、良い席で、ドレスアップしていこう。今後の楽しみだ。

夕食はファーストフードコートで食事。ピザ屋、スパゲティ、フライドチキン、ホットドッグ、ポテトなどの屋台が1つに集まっている。味はチープなところだけに、チープな味である。(スーパーの地下にある、軽食コーナーの寄り集まりみたいな雰囲気だ。中には中華料理の屋台もある。中国人は世界中あらゆる国で中華料理店を経営しており、すごい。私たちを見て、同胞だとおもったのだろうか、店員さんがニコニコしてくれた。

今日は思いのほか日本語に触れた日であった。城で日本語の説明文を渡されたり、中華レストランの看板に「日本語できます」と書いてあったり、土産屋に「絵はがき6枚で1ドル」と書いてあったりして、日本人観光客も結構来るのだろうなと思う。私たちはまだ、スロバキアで日本人には会っていないが。

 

【トレンチーン一日観光】

110日(曇り後晴れ)

今日はブラチスラヴァから電車で1時間ほど北にある街、トレンチーン観光に行く。8時50分発の列車に乗る予定だったので、早起きしたが、850分発は夏ダイヤだったらしく、950分まで電車はない。駅の休憩所でひと休み。

駅のトイレのシステムには驚いた。トイレが有料なのは一般的だが、ここのトイレは、最初は個室に鍵がかかっている。5コルナ入れるとようやく鍵が開くのだ。あらかじめ小銭を用意しておかなければならない。急ぐときは大変だ(笑)。

列車の中では若い女性2名と同席。黒髪の人とブロンドの人だが、ブロンドのお姉ちゃんはぴちぴちのパンタロンを穿いていて、上着も丈が短く、荷物を車内の棚の上に置こうとすると、背中が見える。男なら「ムフー、セクシー」と鼻血でそうな状態のはずなのだが、パンタロンとシャツの間から、ぽってりと肉がはみ出ていて・・・。2人は荷物を置いて席に座ると、スロバキア版「明星」のようなポップスターが表紙に写っている雑誌を、二人で覗き込むように読みだした。そこには「性の相談室」とでもいうべき記事があるらしく、題名にでかでかとSXと書いてある。若い娘の2人が、公衆の面前でそれを熱心に熟読している。カルチャーショックを受けた感じ。

トレンチーンに到着した。小さいが、可愛らしい町で、ルーマニアのシギショアラを思わせる。

トレンチーン城に向かう。お城はチェコでよく見た形。やはりチェコとスロバキアは同じ文化圏だ。

城の見学の前にまず食事をしようと、街の中心部を散策する。トレンチーンの街の中心部は小ぎれいな商店街なのだが、休みのせいか、冬のせいか、ちっとも店が開いていない。そんな中でも、ロンプラおすすめの店はなんとか開いていた。そこでとりあえず食事する。その店の外にピルスナーの看板がかかっていて、ビールのメニューにピルスナーとガンブリナスがあった。3年前のチェコ旅行が思い出される。久しぶりで、懐かしい。ユウコは魚のムニエルとポテトフライ、マサトは豚と牛のミックスグリルとクネードリキを食べた。クネードリキを初めて「おいしい」と思えた店だった。値段もブラチスラヴァに比べると安い。

トレンチーン城見学。ガイドさんは英語が話せない。絵画のギャラリー(トルコ軍の戦いの絵、ゼウスやアルテミスの絵が面白い。マリア・テレジア等もあり)、武器博物館、スロバキアの家紋博物館(サプンツァの墓標のように、職業が家紋になっていて面白い)を見て、最上階のパノラマへ。こぢんまりとした旧市街の風景がかわいい。

1446分の電車でブラチスラヴァに戻る。トレンチーンは3時間の見学で充分な街だった。

ミハイル門近くのカフェバーレストランで食事。地元の若者に人気。カップルが多く、雰囲気が良い。席がいっぱいで、私たちの席は通路に無理やりテーブルと椅子を置いて作ったようなものだ。マサトはチキンのカレー風味にライス(うまい!マヨネーズも加えてあって全然辛くない)と白ワイン、スコッチも飲んでごきげん。ユウコはポークのワインソースにライス(少々酸味があり、うまい!)。しかも安め。マサトはスコッチを飲むとき、高いからそうとう葛藤していたけれど、飲んで良かったね。この店のトイレ、装飾が前衛アートのようで面白い(少々怖い)。トイレは店の外にあり、鍵をもらって入る。この店はお洒落で良い店だけど、みんな仲間やカップル同士だから、1人で来るとさみしいかも・・・。英語メニューもある。ちなみに昼の店はドイツ語とスロバキア語のメニューしかない。