イラン8(No.45)本物!ペルセポリス〜シラーズ・ペルセポリス

【バラの街:シラーズ、のはずだった】

1028日(晴れ)

N0.7のバスは早朝5時にシラーズに到着。車中ではお菓子を振る舞われたり、クルーの態度も良かったが、私の座席のリクライニングシートはこわれ、(しかも、後ろの人が足で座席の背部を押すので痛い)窓からのすきま風が寒く、タイヤの上の席で狭く、夜行バスは寝ている間に目的地に運んでくれるのが一番良いところなのに、20時に出発して3時にやっと無理のない体勢を確立するまで眠れなかったのには辛かった。3時と言えば、そのときお祈り休憩がとられた。小さなモスクのそばにバスを停車して、女性達もトイレで手や足を洗い、身体を清める。そしてお祈り。20分くらい停車しただろうか。夜行ということで荷物を心配していたが、荷物はなくなることはなく、無事宿も見つけられた。Anvariに泊まる。共同ではない、久々の専用シャワーに、大洗濯大会。その後、外へ散歩に出る。ガイドブックには「バラと詩人の古都」と書いてあり、期待したが、バラ園は休み、バザールも休み、モスクも休み、博物館も休み。今日は安息日ではなく、水曜日なのに・・。シラーズのハイライトであるシャー・チェラグ聖廟(イマームレザーの兄弟、サイイド・ミールアフマッドの墓)には幸い入れたが、こんなに休みばかりでがっかりだ。街は主要道路で工事を行っていて、非常に埃っぽい。うりうりと帰る。

【女子高生にご馳走になる】

気晴らしにざくろのフレッシュジュースを飲み、菓子屋に入って買い物をしようとしていると、中にいた女学生(高校生?)が私たちを見て、ワーともキャーともつかない歓声をあげている。そのうちの1人が恥ずかしそうにしながら、「この店では、これがおいしいの!」とショーケースの中のお菓子を指さす。「じゃあ、それ買ってみようかな。」というと、その子は「2つづつくらいでいい?」といって、店の主人に頼んでくれた。お金を払おうとすると「いいのいいの。食べてね。」とニコニコしながら友達と去っていった!見ず知らずの女子高生に500リアル分お菓子をおごってもらってしまった。そのお菓子はどらやきのような生地に、あんこの代わりに生クリームが挟まっているという菓子で、なかなかおいしかった。冷やしたらもっとおいしいだろう。ありがとう・・・。

【久々の魚料理・・・!】

シラーズに来たら、課題としていたことが一つある。それは「魚を食べる」ことだ。ガイドブックの「レストラン」欄に魚料理のあるレストランが紹介されていたからだ。魚を食べるのは本当に久しぶり、とてもとても楽しみだ。紹介されていた、パークホテル内のレストランへ行く。パークホテルは四ツ星ホテルだった。高級!レストランも立派だ。「魚料理」というと、本当は塩焼きの魚に醤油でもかけて食べたいところだが、ここはイラン。それはかなわない。それでもマサトは塩焼きに近いであろうと思われる「魚ケバブ」を、私は「魚フライ」を頼んだ。ペルシャ湾でとれた魚を使っているのだろうか。白身の魚だ。「魚フライ」はカレー風味。付け合わせの手作りタルタルソースがおいしい。

食事後、もう一度ライトアップされた聖廟(シャー・チェラグ)を見に行く。ライトアップもマシュハドほど派手でなく、適度で美しい。聖地なので写真を撮ることを控えていたが、巡礼にきているイラン人も、ばしばし写真をとっているので、私たちも遠慮なく撮った。

 

【ペルシャの都:ペルセポリス】

1029日(晴れ)

ペルセポリスへ。紀元前512年に建てられたという都の遺跡だ。

朝乗ったタクシーの運転手は良心的な人だが、助手席に乗っていた男が倍以上の値段をふっかけてくる。バスターミナルまでの短距離なのに5000リアルを要求!もちろんそんなに払わない。ペルセポリスへの中継点、マルヴダシュトへのミニバスはバスターミナルですぐにみつかり、走り出すとあっという間に到着。そこからペルセポリスへのタクシーの運転手も良心的。今日はタクシー運有か?と喜ぶ。

表現の語彙が少なくてお恥ずかしいが、ペルセポリスはすごい!テヘランの博物館よりも先にこれを見ていたら、もっとすごーい!!と思ったかもしれないが、それにしてもすごい。ただ、レリーフ(浮彫り)の顔のほとんどが削り取られてしまっているのが本当に残念。宗教上の理由とはいえ、無残だ。修復した方が良いのか否か・・・。修復してしまうと、「造られたもの」になってしまうし・・・。

数あるレリーフの中でも、「百柱の間」の階段レリーフが最も面白い。「百柱の間」は王への謁見の間で、レリーフもその様子を表していて、様々な民族の代表者が王に会うため並んでいる様子が描かれている。これはスキタイ人、これはガンダーラ人・・・と面白がって写真を撮る。

ペルセポリスの東の奥にある、アルタクセルクセス2世の王墓は丘の中腹にあり登ることができるが、柵の中に入ろうとすると管理人がやってきてタバコをせびる。この墓のレリーフはこのあと見学したナクシェ・ロスタムと同じレリーフで、天使のような像が描かれている。宝庫にはダリウス1世の謁見図のレリーフがあり、私も真似して謁見しているようなポーズをして写真に収まった。

ペルセポリスには博物館もある。その博物館前で昨日バスで一緒だった日本人青年に会った。イランビザの延長をしなければならないそうで、大変だ。彼はインドを通ってきたのだが、インドでイランビザは50ドル払って1週間しか取れなかったという。1ヶ月のビザを取れた私たちは、本当に幸運だ。

ナクシェ・ロスタム(4人の王墓)を見て、シラーズへ戻る。

 

【イランの叙情詩人ハーフェズの廟】

ペルセポリスからの帰り道では、バスターミナルを間違えて、早くタクシーを降りてしまい、失敗。なんとかシラーズ付近まで戻り、ハーフェズ廟近くでミニバスを降りる。

イランの叙情詩人ハーフェズの廟へ入る。ガイドに書いてあるつくりと、実際の廟のつくりがちょっと違う。

ハーフェズの棺は東屋の中にあるベンチのようになっていて、「気づかずに座っちゃいそうだ」とマサトが笑わせる。廟の敷地内にあるチャイハナで食事をとる。アブグーシュ・ディージー(下記参照)がおいしいが、ちょっと値段が張る。飲物としてザムザムを頼んだら、缶入りのザムザムが出てきた。これまた高い。場所代だろうか。このチャイハナには真ん中に池(というより水槽)があって、金魚が飼われている。子どもが水槽を興味深そうにのぞき込んでいる。

もう一人の代表的な詩人、サーディ廟に行くが、修理中の上、ハーフェズ廟と同じような感じなので入らなかった。明日のイスファハン行きの切符を取って宿へ戻る。しかし・・・旅に出てから3ヶ月になるが、5キロくらい痩せたのではなかろうか。ハカッテミタイ・・・。こういうときに限って「上一上」はない。(「上一上」とは中国で見かけた路上に体重計を置き、1回いくらで払う露天サービス業。「上一上」という呼び込みの音楽が途切れなく大音量で流れている)体重計るのにお金払うのは嫌だから、あっても結局計れないか・・・。

アブグーシュ・ディージーについて

材料:豆(ひよこ豆、白お多福豆みたいなもの)、ジャガイモ、トマト、タマネギと少量の肉(羊・牛)

作り方:材料をスープで煮る。塩で味付け。

食べ方:先にスープをお椀に空け、その後豆と具を棒でつぶす。おわんのスープは飲みものとし、つぶした具をパンにはさんで食べる。

夕食はピザ。最近肉ケバブ離れが進んでおり、体調が良い。ピザ店でカナダ人旅行者に会う。

 

(つづく)