ラオス4(No.104)首都へ〜ビエンチャン
【ラオ航空でビエンチャンへ】
3月15日(月)
朝食を再びルアンパバーンベーカリーでとる。
2人ともサンドイッチを注文。マサトは大サイズ、私は小サイズ。
サンドイッチにはハム・チーズ・たまご・キュウリが入っていて、とても美味しい。
パンはいわゆるフランスパンだが、皮が柔らかく、日本のフランスパンやトルコのエキメッキのように固い皮で口の中を傷つけてしまうことはない。
日本のベーカリーでもこういうフランスパンを焼いてくれたら、サンドイッチがおいしいんだろうけど・・・と思う。
サンドイッチを食べ終わったが、小さかったので食べたりず、私はバナナケーキも食べた。
コーヒー、紅茶を1杯ずつ飲んだ。
ホテルのおじさんは朝7時から乗合トラックを準備して待っている。
空港に行く我々のために用意してくれているのだとしたら、何と親切な・・・と思っていたら、やっぱり!我々用だった!
もちろん空港までの乗車料金は払うけれど、明日は空港へ行きますと言っただけで、
車まで用意してくれる、その気配りがうれしいではないか。
乗り合いトラックで空港へ到着。
ビエンチャン行きの航空チケットは空港のカウンターでヨユーで買えた。
満席は70人。しかしまだ50人くらいしかチケットを買っていないようだ。
ルアンパバーン空港は(予想通り)ノンキな空港。
空港の写真を撮っていると、あ!カモシカヤギだ!!と気づく。
カモシカヤギの子ヤギがいた!形はインパラだが、「メェェ」と鳴く。
マサトは「でも、ヤギより動きが敏捷だな。」という。
なんともカワイイ。飼いたいくらいだ。
ラオ航空はヨユーのプロペラ機。
しかも10時40分発のはずの飛行機が、なぜか9時半にはテイクオフした。
満員になったら発車する、ミニバスのような感覚だろうか。
この機体、中国民航の払い下げの機体らしく、「清匆吸煙」と壁面に書いてある。
ルアンパバーン→ビエンチャン間は40分しかフライト時間がないので、
地上滑走中におしぼりが配られ、数分の安定した機体の状態の間にコーラが配られ、
下降中にアメが配られた。スチュワーデスは息つく暇もない。
このラオ航空、ガイドブックの乗機体験談には「機内の天井から水がしたたってきた」だの
「機内に白い煙が立ちこめた」だの、ちょっと心配になる体験談が載っていた。
しかし、私たちの飛行中には、そのようなこともなく、
「なんだ、大丈夫じゃん」と思っていたが、
着陸態勢に入るため下降する時になって、突如モワモワと白い煙が立ちこめ始めた。
どうやら、エアコンの吹き出し口から白い煙が噴き出ている。
まるで、コンサート会場のドライアイスのようである。
しかし、この煙は臭くもなく、だれも動じない。
マサトは冷静に「外気が入ってきているのだろう。」と言った。
高度3000m以上では酸素マスクが必要というが、
この飛行機は所詮2000mも上がっていないのでNo Problem なのだろう。
ともあれ無事にビエンチャン到着。
さあ、街に出よう、とすると、あれ?イミグレがある。
公安による簡単な確認があって、なんか、パスポートにスタンプを押された。
国境を越えてすでに数日・・・いまさらな気がするが。
首都は警戒が違うのだろうか。
それとも、実は入国スタンプがいるのカナ?
【タクシーで市街へ】
空港の外では、さすがに首都だけあって、タクシーが待っている。
ガイドブックの相場には街まで2000〜3000キップと書いてあったが、
私たちに10000キップと言う運転手。ふっかけるもんだ。
4000キップにしてくれた運転手の車に乗る。
ガイドブックの宿の欄で最初に紹介されていた、パンカムG.H.は、10$、12$、16$の部屋がある。
見せてもらうと、10$、12$はマドがない。エアコンもない。
暑いビエンチャンでさすがに閉塞感がある。
16$はエアコン付きで快適。バルコニーまである。この部屋にする。
マサトは「2日泊まるから」と、1日15$に値切った。
荷物を置いて、街に出る。
まず、最初に、中国旅行で残った元をタイバーツに替えた。
タラート・サオ(市場)近くの工商銀行でできた。
市場内の両替屋は態度がはっきりせず、できるのかできないのか、よくわからない。
雰囲気もアヤシイ。
まあ、元を持ち帰るはめにならず、ここで両替できてよかった。
銀行では両替の際、50元札と100元札しか扱わず、10元札でも受け取ってくれないだろうと思われるので注意。
小銭は使い切る、が、鉄則だ。
ホテル近くのうどん屋でうどんを食べる。
私たちが外国人だとすぐわかるのだろう、英語で話しかけてくる。
暑いので部屋でひと休みしたあと、夕食を食べに行く。
ガイドブックに「夜、屋台が出てにぎやか」と書いてあった通りは工事中のため埃っぽく、そうにぎやかでもない。
レストランもあるにはあるが、やたら高そうか、しけている店が多く、やめる。
Uncle Fred’s chickenなる店は、明るく、少し客もいるので入ってみる・・・が失敗だった。まずい!
グリルチキンを頼んだのに、なぜかビーフステーキとチキンカレーが出てきた。
味がうすい。間抜けな味。しかしこれがアメリカ、彼らの「故郷の味」なのだろう・・・。
この味覚についてはマサトが自分の日記で、アメリカ人と私たちの味覚はたぶん違うのだ、と言っている。
同感だ。郷に入れば、郷に従え、別の国の料理を食べて、当りは少ない。あすはラオ料理の店に行こう・・・!
3月16日(火)
朝食はG.H.前のサンドイッチ屋で。
コーヒーも作ってくれるが、コップの3分の1ほどコンデンスミルクを入れるので甘―――――い。
ハム・チーズ・キュウリ・香菜・トマト入りのサンドイッチ。
目玉焼きとパンというセットもできるらしい。
【サイクリングでビエンチャン市を周る】
ホテルにてレンタサイクルを借りる。
まず、生鮮食品の市場、タラート・クアディンへ。
市場は活気と鮮やかな色に満ちている。
おぉ、雑多だ!と思わず呟いてしまう。
地面にシートを敷き、さまざまな野菜を山積みにしている。
トマト、とうがらし、青唐辛子、これだけでも赤・黄・緑が混在している。
花を売っている店では、水を入れているドラム缶の上に花があふれんばかり。
濃い紫の菊、ストックのような白い花、黄色い菊・・・・
この市場は、食品毎に分類されて店がかたまっているのではなく、青菜の隣に、肉あり、メンあり・・・。
ビエンチャンは暑いが、あまり虫に遭遇しないと思っていたが、さすがに市場ではハエも多い。
よくこんなにハエが飛ぶ所で食事がとれるナと思うが、市場のオバチャンたちはハエを追いながらメンやもち米を食べている。
まぁ、我々も中央アジアではハエを追いながら食事をとっていたが・・・。
魚はナマズ系多し。
魚屋を見学していると、ちょうどカゴから魚が逃げた。
私もマサトもつかまえようとするが、魚の表面がヌメッとしていて、つかめない。
しかし、魚屋のオバチャンはさすがだ、うまくつかむ。
今日、私たちはレンタサイクルで市場まで来たわけだが、市場には有料の自転車(及びバイク)置き場があり、
4輪車ではなく、2輪車が彼らの足なのだ、とあらためて感じる。
そして市場の前ではトゥクトゥクがいっぱい待っている。
たくさん買い物をした人々を運ぶのだろう。
街にあるゲート、アヌサワリへ行く。
このアヌサワリ、本来は戦没者慰霊塔だそうだ。
受付の人が私たちを日本人だと知って、「アリガト」という。
ここにも日本人、たくさん来るのかなあ、と思う。
今まで、日本語で話しかけられると、うれしい時と同じくらい腹が立つことがあったが、
日本語を話されても、ラオ人だと許せる。たとえ、すこし商売っ気があったとしても。
マサトもそれは同じ気持ちだと言った。
アヌサワリ最上部から見たビエンチャンはオオと感激するという程のものではないが、首都なのに緑が多く、のどかだ。
ラオスのお札に描かれているある塔、タートルアンへ行く。
この塔、建造物としては、何が面白いわけではないが、それぞれの塔には「犠牲(sucrifice)」とか「賢者(wise-man)」と、意味があるらしい。
それよりも、塔の入り口にアイスクリーム売りがおり、シャツにつけんばかりに押し売る。
3回「No ,thank you」というと、やっとはなれた。
マサトが「裏道を走ってみよう」という。
舗装もされていない、がたがた道だ。
自転車のペダルが重く、疲れる。
こんなに疲れるのは、体調が悪いせいかと思っていたが、どうやらタイヤの空気漏れだったらしい。
道も悪く、空気漏れでは滑らかに走らないので、お尻がサドルに打ちつけられるようで、痛い。
ドリアンのような実のなる木を、あるお寺の前で見つける。
実際に生っている姿を見るのは面白い。
お寺の方は学校になっていて、英語の勉強をしたあとが黒板に見られる。
境内の壁にはお釈迦様の一生を表した絵がある。美しい。
お寺の真ん中でなぜかオバチャン5〜6人がオカズを持って座っている。
傍らにはナベなどもある。給食だろうか?
サイクリングを終了し、部屋に戻ってひと休み。
昼ごはんにうどんでも食べようと思い、2時頃外に出ると、ほとんどの店が昼休み。
幸い、1軒うどんを作ってくれる所があった。
食事後、ホーパケオ博物館とワット・シーサケットを見に行く。
ホーパケオも博物館とはいえ、寺だ。
この国の仏は手を挙げて立っている(「まあまあ、おちついて」の姿勢)ものと、
座って右手を下に垂らしている(左手はへその前)のと、
気をつけして立っている仏が多い。(絵あり)
タイ人とラオ人は同系の民族と思っていたが、どうやら仲は悪いらしい。
仏教も宗派がちがうのだろうか。
メコン川を見る。市街地を少し離れた川沿いにはたくさんの「リバーサイドレストラン」があり、ほとんど地元の住人むけ。
地元の若者がギターを弾きながら集まっている。
ラオ人は外食をしないと思っていたけれど、ビエンチャンはやっぱり都会だから地元向けの店もあるんだな・・・と思う。
【素晴らしい舞踊ショー】
予約していたラーンサーンホテルの民族舞踊ショーを見に行く。
食事付き1人5$。私たちのほかにも、けっこう予約客がいる。
日本からはJICAの人(税金使って何やっとるんだ!?)
日本人ツアーの人たちがいる。
ほかにも、ラオスの偉い人、韓国の人、白人ツアーの人たちなど。
予約なしで来た人もいたが、予約して良かったと思う。
あてがわれたのが前方の良い席だったし、予約をしなければ入れなかったかもしれない。
料理はアラカルトでも頼めるが、今日はコースで頼むつもりだったので、予定通りコースを注文。
スープ、前菜・・・などと順番に料理が少しずつ出てくるのかなと思ったら、
大きな籐細工のお盆にたくさんの料理が一度に盛られて出てきた。
1.魚+鶏肉のトムヤムスープ(まいたけ、ねぎ、たまねぎなど入り)
2.魚のからあげ(少し甘い味付け。唐辛子酢につけて食べる。)
3.ソーセージ風つめもの
4.キャベツ、ヤングコーン、しいたけ、きくらげ、さやいんげん、にんじんのいためもの(中華風)
5.魚を植物の葉で包んで蒸したもの
6.酢豚(揚げたの、パイナップル入り)
7.ふかしたもち米
どれもおいしい!
それを食べ終わると
8.デザートのフルーツ(パパイヤ・メロン・パイナップルとウリ風のもの。パイナップル甘いこと!)
9.コーヒーor紅茶
が出てくる。
別料金でビールも飲み、おなかは満パン、苦しいくらいだ。
ところでショーの方は、前半踊り子は出ず、音楽のみ。
今日の客の国の歌なども交える。(日本:上を向いて歩こう、炭坑節、韓国:アリランなど)なんだか、自分の国の曲をやられるとこっぱずかしい。
ウイグルのぶどう棚歌謡ショーでもそう思ったことを思い出した。
後半になり、踊り子たちが出てきた。すばらしい!!今日は草ダンスじゃない!
女の人が美しいし、いろいろな民族衣装を着てくれるし、収穫を祝うという、田舎踊りでさえ楽しい。
これで1人5$(+ビールとサービス料1$くらい)とは大満足!!
従業員のサービスも、レストランの雰囲気もよかった。
すごいぞラオス!
帰り道で、今までの旅は「修行」的毎日の要素が強かったけれど、
もう旅の終わりも近いし、ラオスがあまりに快適なので、ここ1週間はすっかり「リゾート」しているね。
うれしい!とマサトに話した。