ルーマニア2(No.64)マリアの宿で〜ブラショフ

【ブラショフへ移動】

シナイアでのお城見学のあと、ブラショフへ。シナイアの駅は街よりも一段低いところにある。中心街から駅へ向かうときに、レンガ造りの狭く急な階段を降りなくてはならない。足元に気をつけなくては。

ルーマニア国鉄は昼休みがあるのか、12時半から13時半までの間、列車がない。私たちはプレディアル駅で足止めをくった(しかし、車内暖房の中で過ごせたので良かった)

 

【太陽のようなマリア】

ブラショフではプライベートルームを経営する名物おばさん、マリアさんに会えた。彼女は完璧な英語を話すのみならず、日本語も勉強しているようで、明るい、パワフルな人。今後の予定を話すと、「ブラショフをベースに行けばいいのよ!」と別の案(マサトの日記参照)を提案される。

彼女の夫の車に乗って、プライベートルームへ。とはいっても、今までのプライベートルームとは少し形態が異なる。団地の1室をまるまる民宿として提供しているのだ。ここには旅行者しか泊まらず、マリア一家の家は別のところにある。ここは日本にあるような3LDK(4Lだったか?)のマンション(団地)で、シャワー室が二つある。そのうち一つはバスタブ付き。キッチンも自由に使える。泊まる部屋の方もシンプルかつ清潔。私たちはダブルの部屋をあてがわれた。個人旅行者はドミトリーとして数人が一部屋で泊まるようだ。

彼女の話では、今日黒の教会でコンサートがあるということだったが、なかった。(残念)。

ガイドおすすめの「オリエント・カフェ」でトルココーヒーとアップルパイを食べる。おしゃれな雰囲気で、少々薄暗い照明のせいか、お客は若いカップルが多い。

今日はマサトの誕生日ということで、中華料理店「長城酒楼」に行き、魚スープ(砂鍋風でマサト大喜び)、豚肉とタケノコ、マッシュルームのオイスターソース(テンメンジャン?)炒め、鶏肉の揚げたものとジャガイモ、ニンジンの塩味あんかけ炒め、サフラン風味で不思議な味のチャーハンを食べた。どれもおいしいが、少々西洋風にされていて、不思議な味がする。これが「ルーマニア人の口に合う味」なのね。

ブラショフのスーパーには、粉末スープも、ティーバッグも、ネスカフェも、そして夢にまで見たラーメンもある!2年前に書かれた「ロンプラ」にあるように、「必要な加工食品はハンガリーで買う」必要はない。なんでもそろうようになってきているのだ。この街でインターネットもできるらしい。すごい進歩だ。

そしてブラショフでは「チョンチンチャン」という人や「Chin?」という人も少々いる。「China, go home!!」という声も・・・空耳だったのかな??

(帰ってからマサトの機嫌がわるい)

 

【ドラキュラの城、ブラン城】

1217日(くもり時々雪)

マサトの機嫌がわるかったのは、昨日が誕生日らしくなかったからだ。せっかく迎えた誕生日だったのに、普段の貧乏癖がでてしまい、「いつもの日」になってしまったことを悔やむ。マサトも口では「いつもと同じで良いよ」といっていたのだが、本当はハレの日にして欲しかったのだ。四六時中一緒にいるので、いつものようにこっそり準備して誕生日に驚かせるというわけにはいかない。それでももっとやりようがあったのではないか・・・。

今日は昨日の分を取り返すべく、1.マサトの欲しがっていたセーターを買おう(幸いブラン城は手編みセーターが名物)

2.プライベートルームの台所で、サラダ・スープ・メイン(ステーキ)のコース料理を作ろう!と心に決める。

「ドラキュラの城」として有名な、ブラン城へ。昨日豪奢なペレシュ城を見てしまったせいか、城というより山小屋に見える、質素な作り。館内職員のおばちゃんにセーターを勧められ、100000レイと80000レイで買う。城外の土産物店でも1120000レイとそう高くないが、それでも外よりは安く値切れたので良しとする。あ、マサトのセーターだけを買うつもりが、ついつい自分も欲しくなって一緒に買ってしまった・・・。

リシュノフへ行く。目当てのリシュノフ城は小高い丘の上にあり、城までの道はけわしい山道。しかし、やっとの思いで登って到着した城は廃墟・・・。心も寒くなる。

 

【特別な日にするために】

今日の買い物をしなくちゃ。マサトを煩わせず、1人で準備したいが、財布はマサトが持ち、行動も一緒ではどうにも出来ぬ。せめておいしいものを作ろうと開き直り、なるべくブラショフですぐにとりかかれるようにと買い物をする。しかし、リシュノフのバザールには牛肉がない。マッシュルームも・・・。ブラショフにならスーパーがあるから、そこになら牛肉もあるかもしれないと思う。誕生日なのに「豚肉」じゃあんまりだ。魚は生臭くなってしまうし・・・。

ブラショフへ戻る。ブラショフの市バスは1枚で2回分の乗車券を売っているようだ(つまり往復切符)。

お目当てのスーパーへ。これまた牛肉がない。1人で買い物に行こうか・・・。でも、ワインはマサトが自分で選びたいだろうし・・・と思い、2人で中心街へ。高級食料品店にも牛肉はない。挽肉と鶏の薫製のみ。せめて、生肉が欲しい。とうとう「鶏肉や豚肉じゃだめなのか!?」と怒りだすマサト。でも、特別にしたい。昨日は特別にしなくて後悔したではないか。別の店へ行く。しかし、ここも鶏肉のみ。しかし生なので、あきらめてモモ肉を買う。(せめて胸肉よりも、と・・・)調味料はプライベートルームのキッチンにあるものを当てにしていたが、コショウがない。結局、マサトにスーパーへ一走りしてもらって、彼を煩わせてしまった。ごめんなさい。でも、その甲斐あって、美味しい料理が出来た。ゆったりワインも飲めて、少し嬉しい気分。本当は昨日特別にしたかったけれど、ちょっと忙しかった。今日はだいぶずっこけだらけだったけど、これで許してください。ごめんなさい。

誕生日メニュー

サラダ菜と白チーズのサラダ、レモン添え

チキンクリームスープ

チキンソテー、オニオン&マッシュルームソース

赤ワイン、パン

 

 

(つづく)