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中央アジア13(No.33) すばらしきホスピタリティ〜アクスー・ジャバグリ自然公園1

【素晴らしきかな、B&B

アクスー・ジャバグリ自然公園へ向かう。ジャンブールのバスターミナルに行くと、昨日私たちを尋問した警官が現れ、「ジャンブールは良かったか?」と聞かれた。尋問も彼らの仕事なので、仕方がない。タシケント行きのバスをバンノフカというところで途中下車し、タクシーでジャバグリへ向かう。本当はバスで行くつもりだったが、停留所もないし、周りの人たちが「バスはない」というのだ。聞いた人達はタクシー運転手なので、あまり信用できないが・・・。しかし、待ってバスが来ないのも困るし、私もまだ本調子でないので、タクシーを使うことにする。運転手はイラン人だという。出稼ぎに来ているのだ。中央アジアを回った後、イランへいくのだとマサトが言うと、運転手は大喜び。ジャバグリの街へ到着して、宿泊先を探すが、運転手は「ジャバグリにホテルはない」という。今日の目的地はホテルではなくBed and Breakfast (B&B:民宿)なので、看板などは無いかもしれない。そうマサトが説明すると、運転手は一生懸命地元の人に尋ねて探してくれた。ある売店で運転手が話をすると、ロシア系で感じのいい40代くらいのおじさんが門から出てくる。どうもこの家がB&Bをやっているらしい。ロシア系の人の家はきれいなはずだ・・・。当たりかな?と思っていたら、やっぱり当たり!!安くて快適!!朝食付きの宿泊で110ドル、朝昼晩全て食事付きとなると、15ドルだという。ほかに食堂などもなさそうなので、全食つけてもらうことにする。おじさんの名前はエフゲニー氏という。部屋はシンプルで清潔。シャワーやトイレも家族で使っているものなのできれいだ。荷物を置くと、「まあ、リビングでお茶でも」ということになり、お茶を飲みながら自然公園の観光アレンジについて説明を受ける。私たちの滞在予定は2泊と少ないので、山麓を軽くトレッキングすることになりそうだ。しかし、このとき出てきたお茶請けのジャムがおいしいこと!!小リンゴとラズベリーの自家製ジャムなのだが、持って帰りたいくらいだ!!アレンジの話が終わって、「あとは本でも読んでくつろいでいてください。」とのことで、リビングでくつろいでいると、先に泊まっていた若いドイツ人女性2名が現れた。今日、ここをチェックアウトして、アルマトイに行くという。アルマトイに良い宿はないかと聞かれたので、バーバの家を教える。「別のお客がいるかもしれないから、行く前に電話してくださいね。」と言っておく。この2人、英語はもちろん、ロシア語もペラペラで、バーバに電話したとしても何の心配もない。どうも、中央アジアの風土を研究している学生のようだ。「カザフスタンでは何処を訪れたの?」ときかれたので、「まだ、アルマトイとここしか見ていないのですよ。」というと、「北もいいですよ」とカザフスタン北部の自然公園を薦められる。近くにある「アクモラ」という都市は、次にカザフスタンの首都になるのだそうだ。たしかにアルマトイは首都として、南すぎるかもしれない。しかし、以前は核実験の舞台となったといわれるカザフスタンの北部だが、もう安全なのだろうか。

この宿の値段からして、質素だろうと思っていた夕食は、驚くべきことにコースになっていて、キュウリとトマトのサラダに始まり、野菜スープ(トマト味。なす、だいこん、赤ピーマン、ニンジン等)、牛肉の煮物とふかしたじゃがいもがメインで、デザートにスイカ、マーブルケーキ、飴、ジャム、紅茶が出た!!どれもこれも量がたっぷり。超おなかイッパイ。幸せ・・・。

食後は引き続き自然公園の本などを読んで過ごす。この自然公園では、チューリップ、プリムラ、蝶、鳥、雪ヒョウ、イノシシ、熊などが見られるようで、日本人の団体がチューリップツアーで訪れたこともあるそうだ。麓のトレッキングもできるし、馬に乗って山に登り、山腹のユルタ(パオ)に泊まったりすることもできる。欧米向けにはGreen Tours というところがツアーをくんでおり、それを利用することもできる。ベストシーズンは春のようである。

 

【楽しいトレッキング】

一晩清潔なベッドで、マサト曰く「死んだように」寝て、すっかり元気になった私。今日は自然公園のトレッキングだ。とても楽しみだ。

朝食はクレープ(ブリヌイ)。カッテージチーズとレーズンが間に挟まっている。ジャムやクリームをつけて食べる。パンやチーズも出てきたが、とても食べきれない。

 

今日、ガイドをつとめてくれるルステム氏と共に、宿の前からタクシーで自然公園のゲートへと向かう。今日は6キロ先の滝を見に行くのが目的だという。昨日エフゲニー氏は「彼は少ししか英語を話せないよ」と言っていたが、どうしてどうして、なかなかの話し上手である。歩きながら植物の名前や、動物の生態、言葉の意味などを教えてくれる。アクスー・ジャバグリの「ジャバグリ」とは、カザフ語で「2歳馬」の意味なのだそうだ。カザフ族は馬の呼び名を歳毎に変えるそうで、日本でいう、「はまち→ぶり」などの出世魚の呼び名に似ている。それだけカザフ人には馬が、日本人には魚が大切な存在だということなのだろう。自然公園は天山赤熊が生息しており、かれらの糞がいろいろなところに見られる。熊の主な食事はりんごやスモモに似たサクランボの仲間、ユルパ(ねず)の実、バラの実(ローズヒップ)など果物が主体で、大きなからだで甘酸っぱい果物をちまちまと食べているのかと思うと、愛らしい。彼らは夜行性だそうだ。よって、今出会うことはない。

 

目的の滝は、高低差15mくらいのもので、崖からのぞき込むような形で見物するため、なかなか怖い。立派な滝である。自然公園内にある山小屋からやかんやカップなどを持ち出して、昼食は川のそばで食べる。ルステム氏が「安全な水を汲んでくるからね」と言って、お茶用の水を汲んできてくれる。火をおこすのがキャンプのようで楽しい。ルステム氏はマサトに「ほら、奥さんが火をおこしているところを写真に撮らなくちゃ。僕だったら絶対記録に残すよ。」といって、写真を撮るのを促す。川の水で淹れたお茶は、とてもおいしい。ルステム氏はタタール人だそうだが、タタール人はお茶をミルクティーにして飲むそうだ。カップに半分しかつがないのはカザフ式、なみなみと注ぐのはロシア式。「日本人のお茶の飲み方は?」と聞かれて、「砂糖やミルクは入れないで飲みますよ(緑茶を想定した)。」と答えると、「カザフ人と一緒だね」とルステム氏は笑った。

 

お昼のメニューはパン、キュウリ、トマト、たまご(ゆで卵!2ヶ月ぶりに食べる!!おいしい〜!!:美味しさに感動して半泣き)、オイルサーディン、はちみつなど。はちみつはルステム氏の「家でとれた」そうで、ご自慢の一品のようである。他のものはエフゲニーさんの家で用意してくれた。

 

今日、トレッキングした山よりさらに奥に見える山、カスカ・バルタ山では、万年雪が人間の額のような形に残るそうで、その山頂付近まで行くと、古代の人々が残した壁画を見ることができるという。(ラクダやアイビス、人の絵などだそうだ)7〜8月がシーズンで、徒歩なら4日、馬を使うなら3日で行って帰ってこられるという。興味深い。帰り道、雨量計を発見し、写真に撮っていると、「本当は自動で観測したデータを取り込みたいんだけど、いくらするんだろうね」と相談された。ルステム氏は、本来はガイドではなく自然公園で生物の研究をしている科学者で、金儲けのためにガイドをやっているわけではないので、嫌みがなくて、教養があって、とても良い人だ。見た目は西洋人だが、タタールの血が入っているせいだろうか、東洋人にとってなじめる顔立ちをしている。すてきな人なので、一緒に写真を撮ってもらった。ルステム氏は帰りのタクシーの中で、「日本語を教えて欲しい」と言った。「こんにちは」や「ありがとう」など、簡単な挨拶をいくつかメモ書きにして、別れ際に渡した。とても楽しかったので、またいつの日か来てみたいと心から思った。夕食は今日ももりだくさんで、トマトとキュウリと赤ピーマンとタマネギのサラダに始まり、野菜スープ(キャベツ・ニンジン・じゃがいも・ピーマンのクリームスープ)、パプリカ肉詰め、ブドウ半房、菓子パン、ジャム、飴、お茶と食べきれないくらい出た。パプリカ肉詰めがあまりにもおいしかったので、作り方を聞いてしまった。(エフゲニー氏は不思議そうな顔をした)つなぎに米を使っているのが面白い。

パプリカ肉詰めの作り方

@     パプリカの種をとり、挽肉、米をまぜたものを詰める。

A     ブイヨンスープで煮る(スープにトマトを少し入れると良い)

マサトが明日の目的地、トルキスタンへの行き方をエフゲニー氏に聞く。幸運なことに、朝早くシムケント行きのバスがあるとのこと。よかった。支払いをすませ、Green Toursのことなどをたずねた。

 

【ホスピタリティあふれたもてなしに感謝して】

楽しい滞在はあっという間に終わりだ。エフゲニー氏によると、「毎日雨が降るかもしれないと天気予報で言っている」ということだが、今日もよく晴れている。朝早く620分に起き、食事する。最初に出てきたのがパンとチーズだったので、これでちょうどいい・・・。と思っていると、どかんと巨大茶碗蒸しのようなプティングが!それに加え菓子パンまで出てきた。もう食べきれません・・・。エフゲニー氏が我々をバスが停まっているところまで送ってくれる。私はエフゲニー氏に荷物をもってもらって、楽ちん。どこまでも親切な人だ。シムケント行きのバスは11回、朝6時半のみだそうで、シムケントからのバスも11回午後4時半発だそうだ。「買い出しのためのバスだよ」とエフゲニー氏は言う。ちなみに、「バスはない」とタクシーの運ちゃんに言われたバンノフカからは、沢山バスがあるうえ、私たちはタクシーに通常の3倍ものお金を払ってしまったらしい。まあ、こういうこともありマス。最後に、エフゲニー氏と記念撮影をして別れた。本当にありがとう!いつかきっと、また来ます!!

 

(つづく)