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18:ウルムチへ〜中国国内便飛行機に乗る

カシュガルでは、天南飯店に再泊することにした。他の宿でもいいのだが、なんとなく、慣れたところがいい。夕方になったので、食事をとりにでかけた。新疆に入って以来、食事ではあまり良い思いができていなかったのだが、エイティガール寺院の近くにあるカバブ屋に入ったところ、ここのカバブがなんともおいしい!!羊肉だが、臭くない。油も少ない。日本で焼き鳥を持ち帰るときのように、何10本もカバブを持ち帰りしているウイグル人の女性がいたが、その気持ちがよく分かる。店の中にはテレビがあり、ウイグル歌手のビデオクリップが流れていて面白い。普通語のまったく聞こえないこの場所は、中国にいながら異国にきたようだ。少し肉を食べたところで、食欲が増進され、私たちはカバブ屋を出て、屋台村の砂鍋屋台へと上機嫌でハシゴした。ここの砂鍋が、これまたおいしい!!私は調子に乗って、デザートに路上アイス売りからアイスクリームを買ってみた。チョココーティングされたコーヒーアイスの袋を選び、代金を払い、通りを歩きながら、中を開けると・・・中から真っ白な「ホームランバー」が出てきた!(ミルク味)なんで?チョココーヒーのアイスじゃないの?私は思った。これは袋とアイスの棒を再利用しているのにちがいない・・・。ひどい。普通ならもう気持ち悪くて食べられないのだが、なぜか美味しそうで、今回はたべてしまった。そしてなぜか、今回はお腹もこわさなかった。

 

翌日は再びカシュガルの街を歩いた。17世紀ごろ、カシュガルで栄えていたホージャ族の墓、ホージャ墳へ行く。入り口まで直行するバス(120番)もあるらしいが、ほかのバス(212223)も近くまで行くとのことなので、23番を利用して行く。バス停を降りてホージャ墳への小道をてくてくと歩いていると、通り沿いの家から子供が出てきて、「うちへ来て!」と誘われた。中にはいると子供の祖母らしい人が出てきて、「お茶でもどうですか」と勧めてくれた。せっかく出してくれたお茶だったが、衛生上飲むのに勇気のいる様子だったので、断る。彼女らの写真を撮ると、子供が「この住所に送って」と住所を書いた。しかし、ウイグル語で残念ながら判読不能だ。その家を出ると、こんどは別の子供が何人か近寄ってきた。中には「ペンをくれ」だの「写真をとれ」だのせがむものもいる。子どものころから、むやみに旅行者に物乞いをし、それに旅行者が応えてしまうのは、子どものためによくないと思うので、冷たいようだが、何もあげない。この街の子どもの中でもいじめはあるようで、他の子ども達よりも少し身なりの汚いある子どもが、「写真をとってくれ」とせがみにくると、自分たちも同じようにせがんでいたにもかかわらず、「そういうこと言うな。あっちへいけ。」と追い出しにかかっていた。偉いのは、追い出された子がちっともへこたれないことだ。負けずに何度か写真をせがんできたその子のことは、一枚写真におさめた。

 

ホージャ墳は美しい。中のお墓もきれいないろとりどりの布がかぶせてある。外の一般墓地には沢山のウイグル人の墓がある。埋めてもらう場所がホージャの姫のお墓に近ければ近いほど、幸せなことなのだそうだ。礼拝堂では僧侶がおり、信者からお布施をもらって読経をしていた。

 

その日の夜は牛肉麺とケーキを食べた。ラーメンとケーキというと不思議な感じだが、その日入った店は、ケーキ屋とラーメン屋が同居しているという奇妙なお店で、若者は当たり前のようにケーキとラーメンを一緒に頼んで食べている。ここで注意したいのは、ラーメンの後、デザートにケーキを食べるのではなく「ラーメンを食べながら」ケーキを食べるということだ。ラーメンのスープは辛い。ケーキは昔日本で良く売られていたバタークリームケーキだ。暢はこの取り合わせに驚嘆している。よく考えれば、彼らにとってここのラーメンは「食事」ではなく、「軽食(おやつ)」ということなのだろう。そう思ってみると、麺も細麺で、スープの味も辛いが「軽め」にできているように思う。

 

カシュガルの最終日、うっとうしくなっていた髪の毛を切るため、私はホテルの隣にある美容院に行ってみた。中国の美容院では洗面器に向かって前屈み(床屋型)で髪を洗う。むろんシャンプー台などなく、ガス湯沸かし器の下の流しに頭を持っていって、蛇口から直接髪を濡らされるという方式だ。その湯沸かし器というのが、温度調節機能などないように見える代物で、蛇口からは熱湯が出てくるのではないかと、びくびくしてしまった。更に恐怖を助長するのが、私の首にかけられた前掛けで、そこには誰のものか分からない血のようなものが飛び散っていて、「肝炎になるかも」とか、「耳を切られるのでは・・・」と不安に思った。しかし幸い、熱湯を浴びせられることもなければ、耳を切られることもなく、美容師の技術にも特に問題はなかった。そして、なにより安い。カット代はたったの4元(80円)。頭がさっぱりした。

 

いよいよウルムチへ移動だ。この旅ではじめて中国の国内便飛行機に乗る。公共バスでカシュガル市内から空港に向かう。もう18時なので下校時間なのだろう、女子中学生の団体がバスに乗り込んできて、きゃらきゃらと明るく、にぎやかだ。中学生たちはいろいろな血が混ざっている顔をしていて、みな可愛い。しばらくすると、中学生達もそれぞれのバス停で降り、私たちも無事、カシュガル空港に到着した。しかし、この空港には何もない。空港の周りも何もない。日本で閑散としているなあと思った函館空港よりも、数段閑散としている。建物の中に入ると、ロビーの真ん中に日本の薬屋でよくあるような小さなショーケースがあり、水、お菓子など申し訳程度に並んではいるが、店員もいないし、品物も1つずつ(サンプル?)しか並んでいない。トイレも建物の中にはなく、適当にあたりをつけて、通路の奥の方へ入っていったら、職員に怒られてしまった。「トイレ」というと、外のほうを指さすので、まさかと思ったが、実際建物の外の離れたところにあった。(もちろん水洗ではない。)私たちが空港に到着したのは出発時刻の3時間前であったが、そんなに早く空港に来て準備する客など、ほとんどいない。2時間前でもチェックインカウンターは空きやしない。1時間半前になってやっと、従業員も乗客もわらわらとやってきた。乗客の中には、先日タシュクルガンで一緒だった日本人のおじさんと女子大生たちがいた。おじさんは、「チケットは早い者勝ちだからならんだほうがいいよ」と私たちに教えてくれた。まさかこのローカル便が満席になるとは思えないが、今から急に乗れなくなっても困るので、列にさっそく並ぶ。無事、航空券が入手できた。カシュガルからウルムチまで1980元。(19600円)久々の贅沢だ。おじさんは「このカシュガル→ウルムチ便は時刻表に載っていないので、カシュガルで現地調達するしかないんだよ」とも言った。その真偽のほどはわからない。

ひとたび飛行機に乗り込んでしまうと、やはり空の旅は快適だ。日本の国内便ではせいぜい飲み物のサービスがあるくらいだが、新疆航空ではジュース・ゴマビスケット・コーヒーなどのほか、扇子のお土産まで出るという良いサービスぶりだ。扇子はおまけとはいえ、白檀でできており、なかなか立派で、とても良い香りがする。これは日本への良いお土産になるだろう。スチュワーデスさんもかわいい。制服のアクセントになっているウイグル矢絣リボンがとてもすてきだ。

 

この飛行機はカシュガル発2120分という夜の便であったので、ウルムチ到着は真夜中(23時半ごろ)になってしまった。私たちは空港バスに乗り込んで、ウルムチの中心街を目指した。

(つづく)